今回はチャイコフスキーの名作バレエ『くるみ割り人形』をテーマにした記事をまとめてみました。
場面ごとの見どころ、音楽の魅力、舞台演出の違い、そして知っていてもすぐには役に立たないトリビア的知識まで――これまでのブログで綴ってきた内容をひとつに集約しました。
全部で68記事ありますので、目次の気になる章をクリックして、物語の扉を開いてみてくださいな♪
Contents
- あらすじ
- <序曲 (Ouverture)>約3分
- <第1幕>約45分
- 第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】
- 第2曲 行進曲 (Marche)
- 第3曲 子供たちの小ギャロップと両親の登場 (Petit galop des enfants et entrée des parents)
- 第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの登場】
- 第5曲 情景と祖父の踊り (Scène et danse du grand-père) 【グロースファーターの踊り】
- 第6曲 情景 (Scène) 【招待客の帰宅、そして夜】【クララとくるみ割り人形】
- 第7曲 情景 (Scène) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】
- 第8曲 情景 (Scène) 【松林の踊り】【冬の松林で】
- 第9曲 雪片のワルツ (Valse des flocons de neige)
- <第2幕>約40分
- 第10曲 情景 (Scène) 【お菓子の国の魔法の城】
- 第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】
- 第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement)
- 1.チョコレート (Le Chocolat) 【スペインの踊り】
- 2.コーヒー (Le Café) 【アラビアの踊り】
- 3.お茶 (Le Thé) 【中国の踊り】
- 4.トレパック (Trépak) 【ロシアの踊り】
- 5.葦笛 (Les Mirlitons) 【葦笛の踊り】
- 6.ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)
- 第13曲 花のワルツ (Valse des fleurs)
- 第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】
- 1.アダージョ
- 2.ヴァリエーション(ヴァリアシオン)I 【タランテラ】
- 3.ヴァリエーション(ヴァリアシオン)II 【金平糖の精の踊り】 (Danse de la Fée-Dragée)
- 4.コーダ (Coda)
- 第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apothéose)
- その他
あらすじ

バレエ『くるみ割り人形』の基本的な「あらすじ」について。物語のざっくりとした内容をおさえておこう!(バレエ観賞初心者向け)今回はバレエ『くるみ割り人形』のあらすじについてのご紹介です。
一口に「あらすじ」と言っても、原作に忠実であるかないか、忠実でない...

バレエ『くるみ割り人形』のあらすじ・鑑賞ポイントの解説(まとめ記事)今回はバレエ『くるみ割り人形』のあらすじ・鑑賞ポイントのご紹介です。
ここでは14の項目に分けていますが、単なる内容説明だけでなく...

『くるみ割り人形』の「ロケ地」は【ニュルンベルク(Nuremberg)】というドイツの都市今回は『くるみ割り人形』の第1幕の舞台はドイツのバイエルン州にある都市
ニュルンベルク
であるというお話しです。
...
<序曲 (Ouverture)>約3分

『くるみ割り人形』の序曲の魅力について『くるみ割り人形』の序曲(Overture)は、このバレエの幕開けを飾るにふさわしい、軽やかで期待感を高めてくる曲です。
今回はそ...

『くるみ割り人形』の冒頭は「序曲(Overture)」か「小序曲(Overture Miniature」か!?:バレエ全曲版と演奏会用組曲版の「細かすぎて伝わらない」違い今回も『くるみ割り人形』のバレエ全曲版と演奏会用組曲版の「細かすぎて伝わらない」違いの一つをご紹介します。
皆さんは、『くるみ割り...
<第1幕>約45分
第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】

バレエ『くるみ割り人形』の第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】のあらすじと見どころ『くるみ割り人形』は、序曲を除き、全15曲で構成されています。
今回ご紹介するのは、その第1幕に登場する
「第1曲《情景...

バレエ『くるみ割り人形』の第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】の「聴きどころ」について以前に別の記事で『くるみ割り人形』の「第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】」について、あらすじや見どころをご紹介しましたが...
第2曲 行進曲 (Marche)

『くるみ割り人形』第1幕 第2曲「行進曲(Marche)」の魅力についてチャイコフスキーの名作バレエ『くるみ割り人形』の中でも、特に人々の心に残る曲の一つが第1幕第2曲「行進曲(Marche)」です。
...
第3曲 子供たちの小ギャロップと両親の登場 (Petit galop des enfants et entrée des parents)

『くるみ割り人形』の第3曲「子供たちの小ギャロップと両親の登場」の魅力をたどる『くるみ割り人形』の序盤、パーティーの熱気が高まる中に登場するのが、第3曲「子供たちの小ギャロップと両親の登場(Petit galop ...
第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの登場】

結局ドロッセルマイヤーって何者??『くるみ割り人形』の第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの登場】(前半)『くるみ割り人形』でクリスマスパーティーの真っ只中、突然現れる謎の人物――そう・・・。
ドロッセルマイヤー
『くるみ...

『くるみ割り人形』の第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの登場】(後半)〜人形たちの舞踏会〜以前の記事では、第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの登場】の前半部分を紹介しました。
...

アルルカンとコロンビーヌって何者??コンメディア・デッラルテ(Commedia dell'arte)とバレエの関係について昔あるバレエ団の『くるみ割り人形』の公演を見ている時に、一つ前の席を陣取っていたバレエガールたちが
「アルルカンとコロンビーヌ...

『くるみ割り人形』第1幕で「熊」が踊る!ボストン・バレエ団の「The Nutcracker Bear」がすごい!『くるみ割り人形』第1幕の第4曲《踊りの情景(Scène dansante)》の後半では、3体の人形たちが登場するヴァリエーションがあり...
第5曲 情景と祖父の踊り (Scène et danse du grand-père) 【グロースファーターの踊り】

『くるみ割り人形』第5曲 情景と祖父の踊り (Scène et danse du grand-père) 【グロースファーターの踊り】について今回は『くるみ割り人形』の第5曲 情景と祖父の踊り (Scène et danse du grand-père) 【グロースファーターの...

バレエ鑑賞で「マイム」を楽しむ――くるみ割り人形 第5曲「情景と祖父の踊り」から見る「マイムの美学」――バレエといえば、軽やかに舞うダンサー、美しい衣装、そして音楽に乗せた優雅な動きなどを想像する方が多いのではないでしょうか。
ところ...
第6曲 情景 (Scène) 【招待客の帰宅、そして夜】【クララとくるみ割り人形】

『くるみ割り人形』第6曲 情景 (Scène) 【招待客の帰宅、そして夜】【クララとくるみ割り人形】クリスマスパーティーの賑わいもひと段落。
華やかだった空間に静けさが戻り、物語は次の章へと進みます。
『くるみ割り人形』第6...

『くるみ割り人形』の第1幕で「午前12時の鐘の音」は本当に12回鳴っていたか!?バレエの名作『くるみ割り人形』には、誰もが知る幻想的な音楽やストーリーが詰まっています。
その中で、個人的にたまに気になってしまう...
第7曲 情景 (Scène) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】

『くるみ割り人形』第7曲 情景 (Scène) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】『くるみ割り人形』第1幕の中でも、最も緊迫感に満ちた場面がこの第7曲 情景 (Scène) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】です。...
第8曲 情景 (Scène) 【松林の踊り】【冬の松林で】

『くるみ割り人形』第8曲 情景 (Scène) 【松林の踊り】【冬の松林で】チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』第8曲「情景(Scène)」は、物語が戦いの緊張感から一転し、静寂と幻想に包まれた世界へと観客...
第9曲 雪片のワルツ (Valse des flocons de neige)

舞台で雪が降る時——『くるみ割り人形』第9曲「雪のワルツ」の魔法(The Nutcracker Act 1 No.9 Valse des flocons de neige)『くるみ割り人形』第1幕のラストを飾るのは、雪山で見るような幻想的な情景「雪のワルツ(Valse des flocons de neig...

バレエ『くるみ割り人形』の第1幕「雪のワルツ」の合唱について「Waltz of the Snowflakes」今回はバレエ『くるみ割り人形』の第1幕「雪のワルツ」で歌われる合唱についてのお話しです。
チャイコフスキーはバレエ『くるみ割り人形...
<第2幕>約40分
第10曲 情景 (Scène) 【お菓子の国の魔法の城】

第2幕の扉が開くとき——『くるみ割り人形』第10曲「お菓子の国の魔法の城」『くるみ割り人形』第10曲 情景(Scène)【お菓子の国の魔法の城】は、第2幕の序曲のような存在です。
しかし、物語の幕間にあた...
第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】

第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】The Nutcracker Act 2 No.11 Scène L'Arrivée de Casse-noisette et de Clara第10曲の流れから始まる第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】は、あとに始まる各国の踊りのディベルティスマンの前座とも言...

バレエ『くるみ割り人形』のフルートの特殊奏法「フラッター・タンギング」について♪別の記事で、当時まだ珍しかった楽器であるチェレスタが、バレエ『くるみ割り人形』で効果的に使われて大ブレイクしたことにより、猫も杓子も(?...
第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement)

トレパックや中国の踊りは「仮装した子供の踊り」だった!?第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement)の制作秘話バレエ『くるみ割り人形』の中でも、とりわけ華やかで観客の目を奪うのが第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement)です...

『くるみ割り人形』でカットされた幻の曲「ジグ(jigue)」(イギリス)について今回は、チャイコフスキーの名作『くるみ割り人形』の第2幕に入るはずだった幻の曲「ジグ(jigue)」をご紹介します。
この楽曲は、...
1.チョコレート (Le Chocolat) 【スペインの踊り】

なぜ『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」はチョコレートを象徴しているのか?けっして甘くはない歴史的背景のある踊りのご紹介前に児童クラスの生徒から
「なんで『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」がチョコレートなんですか?」
と質問を受けま...

『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」の音楽的小ネタ3選今回は『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」の音楽的小ネタの盛り合わせです。
演奏会用組曲版では、「ジゴーニュ小母さんと道化たち ...

【閲覧注意(バレエ好きの方)】『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」が象徴するチョコレートの「闇」についてものものしいブログタイトルとアイキャッチ画像で恐縮ですが、今回は『くるみ割り人形』の「スペインの踊り」の闇についてのお話しです。
...
2.コーヒー (Le Café) 【アラビアの踊り】

「アラビアの踊り」最後のタンバリンの一音:『くるみ割り人形』のバレエ全曲版と演奏会用組曲版の「細かすぎて伝わらない」違いクラシック音楽やバレエに興味がある方なら、一度は耳にしたことがある『くるみ割り人形』。
チャイコフスキー作曲のこのバレエは、クリス...

なぜチャイコフスキーは「アラビアの踊り」に【ジョージアの子守歌】を使用したのか!?『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」は元々「ジョージア(旧グルジア)地方」の子守歌今回は『くるみ割り人形』の第2幕の「アラビアの踊り」についてのお話しです。
実はこの踊り、アラビアを銘打っておきながら、チャイコフ...

『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」はなぜコーヒーを象徴しているのか!?今回は『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」はどうしてコーヒーを象徴するようになったかのお話しです。
コーヒーと聞くと現代ではアフ...

『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」の音楽的小ネタ盛り合わせ8選今回は『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」の音楽についてのご紹介です。
すぐに役立つ知識から、明日以降も絶対に役に立たない知識(...
3.お茶 (Le Thé) 【中国の踊り】

バレエ『くるみ割り人形』の「中国の踊り」(Le Thé - Danse chinoise)は差別的!?今回はバレエ『くるみ割り人形』の中にある「中国の踊り」についてのお話しです。
2021年にドイツのベルリン国立バレエ団が、一部の演...

『くるみ割り人形』の「中国の踊り」の「お茶」について今回は『くるみ割り人形』の「中国の踊り」が象徴するお茶についてのお話しです。
「スペインの踊り」や「アラビアの踊り」が、なぜそれぞ...
4.トレパック (Trépak) 【ロシアの踊り】

『くるみ割り人形』の「トレパック Trépak(ロシアの踊り)」って何のお菓子の精??『くるみ割り人形』はクリスマスシーズンに欠かせないバレエ作品ですが、その中の「トレパック(ロシアの踊り)Trépak」が何のお菓子の精な...
5.葦笛 (Les Mirlitons) 【葦笛の踊り】

『くるみ割り人形』の「葦笛の踊り」には、お菓子・羊飼い・楽器など複数の意味が混ざり合っている!『くるみ割り人形』の「葦笛の踊り」といえば、ソフトバンクのCMでお馴染みの曲ですよね。
もはや日本人はこのメロディを聴くと「白い犬...
6.ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)

結局「ジゴーニュ小母さん」って何者なの??『くるみ割り人形』の「ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)」について今回は『くるみ割り人形』の第2幕のディベルティスマンの一つ
「ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et...

『くるみ割り人形』の「ジゴーニュ小母さんと道化たち」が地味に使い勝手がいい曲である件について今回は『くるみ割り人形』の「ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)」...
第13曲 花のワルツ (Valse des fleurs)

バレエ『くるみ割り人形』の「花のワルツ」の小ネタ5選今回は『くるみ割り人形』の「花のワルツ」についてのお話しです。
1892年に出来上がった曲にもかかわらず、おそらくバラエティー番組...
第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】

チャイコフスキーはミニマリスト!?バレエ『くるみ割り人形』は【ミニマル・ミュージック】の先駆け的な要素が詰まっている♪今回はバレエ『くるみ割り人形』はミニマル・ミュージックの先駆けの作品というお話しです。
チャイコフスキーは『くるみ割り人形』の中で...
1.アダージョ

「単純な下降音階」が生むアダージョの美学 第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】のアダージョについてThe Nutcracker Act 2 No.14 Pas de deux「Adagio」『くるみ割り人形』の中でも、この第14曲「グラン・パ・ド・ドゥ」のアダージョは、バレエ界では定番曲でも、世間一般ではまだ知られていない隠...
2.ヴァリエーション(ヴァリアシオン)I 【タランテラ】

毒グモ伝説からバレエへ―『くるみ割り人形』男性ヴァリエーションとタランテラの魅力 The Nutcracker Act 2 No.14 male variation「Tarantella」第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】は以下の構成で成り立っています。
アダー...

バランシン版『タランテラ』:本当に死に至らしめる毒蜘蛛バレエ Balanchine’s "Tarantella"『タランテラ』という言葉を聞くと、『くるみ割り人形』の男性ヴァリエーションよりも真っ先に、ジョージ・バランシンの『タランテラ』を思い浮か...
3.ヴァリエーション(ヴァリアシオン)II 【金平糖の精の踊り】 (Danse de la Fée-Dragée)

静謐の中に潜むバレエ美学―ドラジェの精(金平糖の精)第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 女性ヴァリエーション Danse de la Fée-Dragée『くるみ割り人形』の中で、ひときわ有名な旋律といえば「金平糖の精」のヴァリエーション。
おそくら誰もがどこかで一度は耳にしたことが...

バレエ『くるみ割り人形』の「金平糖の精」は誤訳!?本来は【ドラジェの精】だけど変えるべき!?今回は『くるみ割り人形』に出てくる「金平糖の精」はドラジェの精が本来の呼び名という話です。
金平糖の精の原題は「Danse de ...

バレエ『くるみ割り人形』の秘密兵器「チェレスタ」について!「金平糖の精の踊り」の踊りから世界中に波及していった楽器のご紹介♪とあるバレエ教室で生徒さんが
「映画の『ハリーポッター』の中で『くるみ割り人形』の「金平糖の精の踊り」の曲が使われていたよね!...

バレエ『くるみ割り人形』のチェレスタは2幕のいろんな場面で演奏されている!「金平糖の精の踊り」以外でチェレスタが使われている場面のご紹介♪バレエ『くるみ割り人形』の発表会を控えていたバレエ教室で
「チェレスタ奏者の人って、「金平糖の精の踊り」以外は暇だし、出番まで...

「金平糖の精の踊り」のPresto以降の終盤カットについて:『くるみ割り人形』のバレエ全曲版と演奏会用組曲版の違い前に『くるみ割り人形』の「アラビアの踊り」の最後のタンバリンの一音が、バレエ全曲版と演奏会用組曲版で異なる話をしましたが、他に違いがあれ...

「金平糖の精の踊り」はチェレスタでなくてもいいよ!By チャイコフスキー『くるみ割り人形』といえば、クリスマスシーズンに欠かせない名作バレエですよね。
その中でも人気の高い曲と言えば、やはり「金平糖の精...
4.コーダ (Coda)

「コーダ」に凝縮されたバレエの醍醐味―『くるみ割り人形』第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux)のコーダ(Coda)『くるみ割り人形』の第2幕、お菓子の国の主役である金平糖の精と王子が踊る「グラン・パ・ド・ドゥ」は、チャイコフスキーが生み出した最高に贅...
第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apothéose)

お菓子の国の大団円と夢の終わりー第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apothéose)『くるみ割り人形』の音楽は、子供も大人も楽しめるストーリーとチャイコフスキーの繊細かつ壮大な音楽が入り混じる名作ですが、その締めくくりを...
その他
演奏会用組曲 VS バレエ全曲版

バレエ全幕の上演よりも先に【演奏会用組曲】が発表されてしまった珍しいバレエ『くるみ割り人形』前に、あるオーケストラ関係者の方が
「『くるみ割り人形』は音楽が出色すぎて、もう踊りが邪魔なくらいだね。」
とバレエ...

『くるみ割り人形』はバレエであることを知らない!?演奏会用組曲しか聴いてない(演奏していない)人とバレエ関係者の認識の違いについて今回はバレエ『くるみ割り人形』の演奏会用組曲しか、聴いてなかったり演奏してしなかったりする人は、『くるみ割り人形』に対する認識がバレエを...

『くるみ割り人形』のバレエ全曲版と演奏会用組曲版の「細かすぎて伝わらない」違い(まとめ)今回は『くるみ割り人形』のバレエ全曲版と演奏会用組曲版の「細かすぎて伝わらない」違いのまとめ記事です。
知っているからって鑑賞や自...
初演はオペラ『イオランタ』との【2本立て】

バレエ『くるみ割り人形』の初演はオペラ『イオランタ』との【2本立て】だった!今回はバレエ『くるみ割り人形』の初演についてのお話しです。
『くるみ割り人形』は、実はオペラとの2本立てで初演されました。
...

オペラ『イオランタ』:バレエ『くるみ割り人形』と並んで生まれた、もうひとつの傑作(Iolanta / The Nutcracker)バレエ『くるみ割り人形』を語る時、忘れてはならないのが“もうひとつの同夜上演作品”、オペラ『イオランタ』です。
1892年12月1...
ピーター・ライト版の紹介

ピーターライト版『くるみ割り人形』の特徴5選の紹介2024年1月1日にロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスに行きピーターライト版『くるみ割り人形』を見てきました。
個人的に大のお気に...

ロイヤル・オペラ・ハウスで鑑賞したロイヤル・バレエ団のによる『くるみ割り人形』の雑感今回は2024年1月1日にロイヤル・オペラ・ハウスで見たロイヤル・バレエ団による『くるみ割り人形』の雑感です。
YouTubeに出...
『くるみ割り人形』と映画『トイ・ストーリー』『スタンド・バイ・ミー』

『くるみ割り人形』と『トイ・ストーリー』 ― おもちゃが生きる夢の系譜(The Nutcracker and Toy Story)子どもの頃、おもちゃに命が宿ってほしい――そんな想像を一度はしたことがあるのではないでしょうか。
クリスマスの定番バレエ『くるみ割...

一夜とひと夏──『くるみ割り人形』と『スタンド・バイ・ミー』が語る子ども時代の終焉物語(The Nutcracker and Stand by Me)子どもの頃の思い出を振り返る時
「あの頃は住んでいた町が世界のすべてだった」
と感じる人は少なくないのではないでしょ...
実際のくるみ割り人形でクルミを割ってみる

バレエ『くるみ割り人形』を踊ったことも弾いたこともあるのに、1回も実際の「くるみ割り人形」で、クルミを割ったこともなければ見たこともない件バレエ好き、あるいは音楽好きならば、何万回と接するであろう名作――チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』。
でも、実際の道具と...
『くるみ割り人形』の主人公の名称の変遷

クララ?マリー?マーシャ?結局『くるみ割り人形』の主人公名ってどれなの??初めて見るバレエ団の『くるみ割り人形』の舞台に行くとき、自分がまず確認するのがプログラムに書かれた主人公の少女の名前です。
そこに...
『くるみ割り人形』の上演時期

『くるみ割り人形』をお正月に上演するのはダメなの!?日本と欧米でのクリスマスシーズンの違いと「東方の三博士」についてお正月に、とある日本のバレエ団が上演する『くるみ割り人形』の会場で
「もうクリスマスは終わったのに『くるみ割り人形』やるの何か...
『くるみ割り人形』の初演場所:マリンスキー劇場

サンクトペテルブルクの夜、バレエの聖地マリンスキー劇場へ―「三大バレエ」(『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』)が初演された劇場(Mariinsky Theatre)2018年12月29日、まだウクライナ問題が起きていない古き良き時代・・・。
ロシアのサンクトペテルブルクに位置するマリンスキー劇...
『くるみ割り人形』を作った男:イワン・フセヴォロシスキー

フセヴォロシスキーという天才プロデューサー(Ivan Vsevolozhsky) ― 「三大バレエ」(『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』)を陰で生んだ男クラシック・バレエの世界で「三大バレエ」と言えば、基本的にチャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』を指しま...
『くるみ割り人形』の初演で王子を演じた男:パーヴェル・ゲルト

バレエ史のトリビア:「三大バレエ」の王子の初演を独占した男 パーヴェル・ゲルト(Pavel Andreyevich Gerdt)『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『白鳥の湖』…初演の王子は同じ人!どの分野の歴史にも、ちょっとした驚きのエピソードがあるものですが、バレエ史の中でもやはりトリビア的なものが存在します。
チャイコフ...
『くるみ割り人形』の「物語」と「調性」の関係性

バレエ『くるみ割り人形』の「物語」と「調性」の関係性について今回はチャイコフスキーが『くるみ割り人形』の中で
音楽の調性とストーリーの流れを連動させて作曲している
ことをお話し...