バレエ

バレエレッスンに「年齢の壁」なんて存在しない──男性が始める『大人バレエ』の楽しみ

先日、ある40代の男性からこんな相談を受けました。

実は最近、健康のために体を動かしたいと思っていて・・・。
でもジムやランニングは、私には単調すぎて続かなかったので、音楽に合わせて体を動かすバレエに少し興味があるんです。
とはいえ、さすがにこの年齢から始めるのは無理かな・・・?

この手の相談、実は一度や二度ではありませんし、自分も大人から始めたので、気持ちは痛いほどわかります。

男性の場合

「バレエ=女性や子どものもの」
「今から始めても上達しない」

といったイメージを持っている人が多く、興味はあっても教室の扉を叩けないまま時間だけが過ぎてしまうケースが多いのです。

そんな迷える人たちに自分はいつもこう答えます。

「プロを目指すのでなければ、始めるのに遅すぎることはありません!」

なぜそう言い切れるのか――

この記事では「男性が大人になってから始めるバレエ」にどんな魅力と可能性があるのかを、理論的に掘り下げてみたいと思います。

「プロになるわけじゃない」からこそ、自由に楽しめる!

確かに、プロのダンサーを目指してバレエ団に入って言うなら、40代では遅いし、まあ100%無理でしょう。

でも目指しているのが、たとえば健康のため、姿勢を整えるため、音楽と体を合わせて動かす喜びのためなら、何歳からだって大丈夫です!

草野球をやる人が全員プロ野球選手を目指しているわけじゃないように、アマチュアオーケストラの人が全員音大出身じゃないように、「楽しみとしてのバレエ」だってあってもいいし、実際に存在しているのです。

バレエ界の業界用語で「大人バレエ」という単語があることからもわかるように、幸いにも趣味として確立されていると言えます。

草野球・アマチュアサッカー・アマチュアオーケストラ・地域の合唱団・華道・茶道・ヨガは、その道のプロフェッショナルがいますが、趣味としては始めるのは年齢不問ですよね!?

「プロを目指すのでなければ、やっても意味がないよ」
なんてことありませんよね!?

それと同じで、「大人バレエ」も知らないだけで、業界ではきちんとした市民権を得ているのです。

「年齢の壁」なんて、意外と存在しない!

自分が知っている女性の中に、60歳近くで初めてバレエを始めた方がいます。

「友達に誘われて冷やかし程度に」という理由で始めたそうですが、気づけばもう何年も続けていて、今ではレッスンの日が一番の楽しみと言っていました。

それを思えば、始めにご紹介した男性の40代という年齢なんて、まだまだ若い方。

筋肉も柔軟性も、十分に変化する余地があります。

子供より大人のほうが、理屈で体の使い方を理解できる分、上達がむしろ早いこともあるし、プロフェッショナルになることを望まなければ大人なりの成長は大きく見込めます。

先の60代の女性も、姿勢が良くなったせいかすごく若く見えましたし、いつの年齢で始めてもバレエはしっかりそれに応えてくれますよ!

現在は「初心者専用クラス」が整っている!

幸いなことに、最近は大人の初心者のための入門クラスも多いです。

また、昔なら女性のみしか受け付けない教室が多かったですが、今は男性歓迎クラスも増えています。

バーを使って姿勢を整えるレッスンや、ストレッチ中心の内容など、“体を慣らす”ところから丁寧に教えてくれるところがたくさんあります。

先生方も「体の硬さ」「年齢的な可動域の限界」を理解してくれるので、無理のないペースで進められるんです。

初めての人ばかりが集まるクラスもあるので、安心してスタートできる環境は整っていると言えるでしょう。

男性講師がいる教室も多いし、「筋力」「重心」「回転の物理」といった、男性が理解しやすい観点で教えてもらえるバレエ教室もありますよ。

最後に

バレエは、年齢で区切られるものではありません。

「やってみたい!」

と思ったその瞬間が、いちばん若い瞬間です。

だから、もしあなたが迷っているなら――どうか安心して、最初の一歩を踏み出してみてください。

バレエは喜んであなたを歓迎してくれますよ!