今回は、バレエをやめてしまった男の子の話です。
やめた理由を通して、男性バレエ学習者の存在意義やできることなどをご紹介したいと思います。
またもし、このバレエをやめた男の子が自分のブログを見たら、また始めてみようという気持ちになってくれれば幸いだとも思っています。
★こんな人向け対象の記事です★
◎バレエ男子で、バレエレッスンを受けている、または以前受けていた方
◎大人の男性で、バレエ教室でバレエレッスンを受けている方
◎バレエ教室を運営していて、大人クラスを設置している、もしくは設置を考えている指導者
※あくまでもこの記事の男性バレエ学習者は、大人から初心者でバレエを始めた男性を想定しているので、子供の頃から習っていた男性・プロとして活動している男性は当てはまらないこともありますが、話のネタや指導する上で、何かの参考にはなると思います。
バレエ大好き少年がバレエを辞めた理由
あるバレエ教室の先生に久しぶりにお会いしたところ、このような嘆きを口にされていました。
「うちの教室でずっと習っていたバレエが大好きな男の子が急にやめてしまった・・・。
保護者によると、学校でバレエをやっていることを同級生たちに馬鹿にされて、やめてしまったらしい」
詳細はわかりませんが、おそらく馬鹿にされた以上のことがあったのでしょう。
「男がバレエやっているなんて、キモイ!」
みたいなことを、みんなから言われたみたいなので、ひょっとするといじめに近かったのかもしれません。
また、からかった同級生の中には男の子だけではなく、バレエを知らない女の子もいたことでしょう。
ある程度大きくなって自分の軸ができれば、ちょっとぐらい何か言われたとしても、右から左へ流せるものですが、多感な少年時代では状況によっては難しいかもしれません。
いずれにしても男性バレエ学習者の自分としては、非常に残念に感じました。
プロ以外でも、バレエをやっている男性がいることを伝えたい
このような時、自分ならバレエをやめてしまった男の子に、男でバレエをやっているのは君だけじゃないことを伝えたいですね。
バレエ教室でも男子一人で、かつ学校でもバレエをする男友達がいなければ、好きなことを共有できる人がいないので、やはり少し寂しくもなると思います。
実際に大人の男性バレエ学習者である自分が、子供に混じってレッスンした後などは、バレエ男子は同じ仲間と思うのか、こちらに非常になついてきたりすることもありました。
発表会のゲストで男性ダンサーもリハーサルなどで教室に来たりもしますが、生徒としては友達ではなく先生として見ることになるので、どこか一歩引いてしまいますしね。
もともとそういう境遇なのに、学校などで周りからバレエをやっていることを揶揄されたりしたら、バレエから気持ちが遠ざかってしまうことでしょう。
だから、やめた男の子にはこう言いたいです。
自分の好きなことであるバレエが、男にとっては、たとえ少数派のジャンルであっても、必ず同じようにバレエを好きな人は、子供でも大人でもどこかにいるから、他人に何か言われてもできるだけ気にしないようにして、やり続ければいいと。
実際に自分もいまだに周囲からいろいろ言われることもあるけど、こうやって楽しんでバレエレッスンを受けているから、一緒に頑張ろうと。
バレエを知らない人に言われてもピンと来ないかもしれませんが、バレエが好きであるという共通の価値観を持つ人に言われれば説得力があるので、男性バレエ学習者の自分だからこそ、このように言ってあげたいと思います。
男性バレエ学習者の存在意義
バレエをやっている男子のためにも、プロではない大人である男性バレエ学習者が、レッスンを続けていくことには意味があると思います。
同じようにバレエレッスンを頑張っている人が、身近にいると知れば、少しは女子・女性社会でのアウェー感も薄まるかもしれません。
なので、プロの男性ダンサーだけでなく、普通の大人の男性もバレエを趣味としてやっていることを見せていければと思っています。
学校にはバレエを知っている友達がいなかったとしても、学校以外で男性バレエ学習者の存在があれば、自分と同じ価値観の人が確かにいるということを知ってもらえるでしょう。
最後に
正直、自分は発表会など人前で何かを演じるのは苦手で、あまり表舞台には出たくない性格です・・・。
しかし、舞台に出ることによって普通の男性がバレエをしていることを見せるだけでも、上記のような少年や、実はバレエを始めたいと思っている男性の力になると思って、無理してでも発表会に出ている感じです。
自分のような大人から始めた男性バレエ学習者の存在が、少しでも誰かの力になると思って、これからもレッスンを頑張っていこうかなと思いました。
上記のバレエをやめてしまった男の子が、いつか教室に戻ってくることを願いながら。