今回は、「男性大人バレエあるある」の中で、「レッスン以外でのあるある」を取り上げたいと思います。
いまだに女性社会であるバレエ教室において、男性バレエ学習者特有のあるあるは、レッスン以外でもたくさんあります。
ここでは、細かすぎて伝わりにくいレッスン以外での男性バレエあるあるをご紹介したいと思います。
女性の読者の方は、男性がどんな気持ちでバレエ教室に来ているかの一端がわかるので、自分が通っている教室に男性の方がいれば何かの役に立つかもしれません。
また、教室を運営されている方や、これから大人クラスに男性を入れようか迷っていらっしゃる指導者の方にも、大いに参考になると思います。
★こんな人向け対象の記事です★
◎大人の男性で、バレエ教室でバレエレッスンを受けている方
◎女子・女性で、通っている教室に男性の大人バレエ学習者がいる方
◎バレエ教室を運営していて、大人クラスを設置している、もしくは設置を考えている指導者
※あくまでもこの記事の男性バレエ学習者は、大人から初心者でバレエを始めた男性を想定しているので、子供の頃から習っていた男性・プロとして活動している男性は当てはまらないこともありますが、話のネタや指導する上で、何かの参考にはなると思います。
男性に対する生徒の保護者の態度が3パターンに分かれる
くどいようですが、バレエ教室はいまだに女性社会です。
そこへ大人の男性がバレエレッスンを受けに来るのですから、小さな娘を持つ保護者としては変な男性が来たのではないかと心配になります。
同じフロアでレッスンを受けていなくても、どうしても教室内の廊下・階段等で遭遇していしまいますから。
そして、保護者の男性に対する態度は、だいたい3パターンに分けられます。
①初めから完全に変な人として認定し、嫌悪感丸出しの態度で接してくる。
②男性大人バレエ学習者を歓迎し、積極的にバレエの話などを振ってくる。
③とりあえず①・②の人たちを見て、どういう態度を取るか決めてくる。
一般的には①が男性にとって最も不愉快なことかもしれませんが、バレエ教室に限らず、のっけから固定観念を持って敵意をむき出しにしてくる人はどこにでもいるので、こういう方は慣れてしまえば意外にあまり気になりません。
それに実際に変な男性も世の中には確かに存在しますので、ある意味①のような人も、子供を守るためにはありのような気もします。
②の方は言うまでもなく、真摯にバレエに取り組む男性にとっては、ありがたい存在なのですが、男性大人バレエ学習者として気になるのは、実は③です。
③の方は、①・②など周囲の様子を見て、自分がどういう態度を取るか決める人が、それなりに多くいらっしゃいます。
こういう方は②の方向にいけば強い味方となってくれますが、①のほうに流されると徒党を組んで時には嫌がらせをするケースも出てきます。
③の方に、男性を擁護する側についてもらうには、真摯に練習に取り組んで、技術を磨きレベルを上げ、自らの希少価値を高めるしかありません。
日々の真面目な練習態度や技術の向上によって、生徒だけでなく、保護者からの信頼も得ることができますので、そうなると割とバレエ教室内での男性としてアウェー感は、だいぶ薄れていくものです。
レッスン前に女性特有の話題が聞こえてくることがある
レッスン前の待ち時間に、待機場所の共有スペースや稽古場所内で、ストレッチをしながらおしゃべりをするのは、よくある光景です。
この女性の好きなおしゃべりタイムに、たまにですが、
男性があまり聞いてはいけないような女性特有の話
をしてたりする時があります。
例えば
生理現象の話・老化現象の話・病気の話・旦那の悪口・他人への悪口・・・
こちらに聞こえてないと思っているのか、聞こえてもいいと思っているのかわかりませんが、世間話以上の会話をしていることはよくあることです。
もちろんこちらは黙々とストレッチをしたり、ウォーミングアップをしたりして、聞いてないふりをするか、聞こえないように移動したり体を動かしたりするのですが、それでもどうしても耳に入ってしまうことはあります。
別に激しく気分を害されるという訳でないのですが、女性集団に混じっているとこういうことを否が応でも聞かされることは、それなりにあったりします。
ボーイズと仲良くなる
大人バレエが女性社会なら、子供のクラスは女子社会と言えるでしょう。
そんなわけで、たまにバレエ男子が1人で女の子に混じって頑張っている姿を見ると、妙に応援したくなるものです。
そして、そんなバレエ男子とたまに一緒にレッスンを受けたりすると、レッスン後に非常になつかれたりします(笑)
バレエ男子たちは、学校では大っぴらにバレエのことを話すこともできず、また女子と話しても話の内容に限界がでてくるので、やはり年上のお兄さん的な立場の人がいたら、同性同士の仲間意識も手伝って、けっこう絡んできます(笑)
自分がレッスン後に、ザンレールなどの自主練をしたい時でもまとわりついてくるので、ちょっと相手をするのに大変だったりするときもあるのですが、ピルエット大会などをして遊んだりすることで、お互いの上達にもつながり、ためになったりもするものです。
何より少年とは言え、女子・女性社会で地道に頑張っている者同士なので、分かり合える部分も多く、ともに頑張ろうという気持ちにさせてくれます。
発表会で、女子・女性と組むのに、いいように使われる
バレエ教室側としては、男性のゲストダンサーを呼ぶことは、お金がかかりますし、スケジュール等のやりとりも出てくるので、けっこう手間がかかるものです。
なので、金もかからなければ手間もない生徒である男性は、非常に都合のいい存在です。
技術はプロのダンサーにはかなわないので、幕物の主役や純然たるグラン・パ・ド・ドゥなどはできませんが、男性・女性1人ずつ+コールドの編成であるディベルティスマンなどは、けっこう受け持ったりすることが多いです。
例えば、白鳥の湖で言えば、「ナポリの踊り」や「ハンガリーの踊り」などですね。
男子・男性が皆無のバレエ教室だと、女子だけの踊りの編成となっていることが多いですが、男性が1人いると、通常の舞台の編成に近くなり華が出てきますので、けっこうディベルティスマンで男子生徒・男性生徒は使われたりします。
男性と組んでやることは女子・女性にも大きな勉強となるので、時にはいろんなところで掛け持ちを頼まれたりして、振付を覚えるのに大変な時もあるのですが、ある意味女性よりは多く踊ることができるので、発表会代金の面で見ればお得感もあると言えます(笑)
発表会練習で、男性ゲストダンサーに指導を受けることができる
男性ゲストダンサーは基本的には女子・女性と組んだり、幕物の主役として呼ばれるものです。
それ故に、男性ゲストダンサーに個別の謝礼や旅費を払ったりするのは、保護者や大人女性となります。
ただ、男性ゲストダンサーはたまに生徒である男子・男性を見てくれることがあります。
やはり同性同士だし、こちらが頑張っている姿を見ると、ちょっと教えたくなるのでしょう。
もちろんすべての男性ゲストダンサーが、男性を見てくれるわけではないのですが(指導料を払っていないので見る必要はない)、だいたいの方がこちらが練習をしていると「こうしたほうがいいよ♪」みたいな感じで教えてくれるので、ある意味ただで教えてくれる形となり、これまたお得感があると言えるかもしれません。
発表会練習で女性群舞の合わせの時は、男性は暇になる
発表会の練習で男性は練習内容によっては、すごい暇になることがあります。
例えば「白鳥の湖の2幕(1幕2場のことも)」の湖畔のシーン。
男性ゲストダンサーが担当する王子以外はすべて白鳥で、一糸乱れぬ動きが必要になってくるので、かなりの練習時間を費やします。
なので、この部分をやっているときは、生徒である男性は、ほぼ教室の片隅で自主練となるわけです。
時には、今日はこの2幕しかやらないから、バーレッスンが終わったら帰ってもいいよと言われたこともありました。
たまに王子の動きの部分だけをやってと言われ手伝うこともあるのですが、基本的に女性だけの群舞が続くときは、男性はかなり暇になるか、自分の振りを見てもらう待ち時間が長くなることもしばしばです。
センターの後にポワントレッスンがある場合は、男性は1人で教室を出る
ポワントレッスン(トウシューズを履いたレッスン)は、だいたいフロアレッスンが終わった後にやるものです。
なので、フロアレッスンが終わったら、男性はレッスン終了となり女性より先に教室を出ることになります。
女性はトウシューズを履いてレッスンが再開されますが、男性は1人でひっそりと教室を出るわけです。
男女によって踊りの形式が違うので、練習がバラバラになるのは当然なのですが、教室を出る時に、先生が冗談を言ったのか、稽古場から高らかな笑い声が聞こえてくると、ちょっと
一抹の寂しさ
を覚えたりします(笑)
最後に
いかがでしたでしょうか??
バレエ教室によって多少事情は違うかとは思いますが、男性バレエ学習者の方はいくつか納得できる部分があったかと思います。
女性の方にも、男性はこういうシチュエーションもあるんだな~と思っていただければ幸いです。
あるあるネタはまだたくさんあるので、折に触れてまたお話していければと思っています♪