今回は腕のポジションのまとめです。
バレエの単語は基本的にはフランス語なので、初心者の方には最初はとっつきにくいところかもしれません。
ただ、この腕のポジション名称は、覚えておかなければレッスンに支障をきたすので、頑張って覚えていきましょう!
メソッドにより様々な名称がありますが、ここでは日本国内で特に流通している4つポジションをご紹介していきます。
詳細な注意点は、リンクの記事にいくとありますので、そちらを参考になさってください。
アン・バー
最も基本のポジションですね。
バーレッスンもセンターレッスンも、基本的にはこの形で始まり、この形で終わります。
バレエ未経験の人には、一見するとただ腕をダランとした形にも見えますが、実はかなり作為的です。
たとえば、わきにタマゴ一個分の隙間を空けなければならないし、ひじも外側へ向けなければなりません。
けっこう日常生活ではやらないような筋肉の使い方や動作をしているものです。
簡単に見えて、実は難しい!
というのがバレエですが、その典型的な形がアン・バーと言えるでしょう。
他のポジションは基本的にこの形から腕を前にしたり上げたりするので、瞬時にこの形が作れるようになるといいですね♪
【アン・バー(En Bas)】
『En』:場所を表す前置詞で「~へ」「~に」
『Bas』:「下」を意味する単語
アン・ナヴァン
アン・バーの形から、みぞおちまで腕を持って行った形です。
大人バレエでよく散見されるのは肩が上がったり、ひじが落ちたりしていることですね。
基本的にアン・バーから高さを変えただけですが、腕をあげる時に肩が上がりがちな人が多いです。
また、静止状態ならきれいにアン・ナヴァンの形になっていても、たとえばピルエットの時などに「ひじ落ち」現象が出てきてしまう人もいます。
動作が伴っていても、正しい形を維持したい
ポジションです。
【アン・ナヴァン(En avant)】
『En』:場所を表す前置詞で「~へ」「~に」
『 Avant』:「前」を意味する単語
アラスゴン
アン・ナヴァンの形の形から、腕を横に広げた形です。
これも簡単そうに見えて、初心者には難しい形です。
手首は折れがちですし、アン・ナヴァンと同じで「ひじ落ち」現象もよく見かけます。
作るポイントは
後ろから見たら、ひじが見える
ことですが、肩は内に入ってはいけないし、手のひらは前を向いていないといけないので、単純に見えてやはり難しい腕の形です。
アラスゴンの作り方はいくつかありますので、詳細はリンクの記事を参照して頂ければと思います。
【アラスゴン(a la seconde)】
『a』:場所を表す前置詞で「~で」「~に」
『la』:冠詞で、英語のtheに当たるもの
『seconde』:2番、英語のsecondに当たるもの
アン・オー
バレエを知らず普通に腕を上げると、万歳ポーズになってしまうのが、アン・オーの落とし穴です。
初心者はどうしても肩があがりがちなのは、大人バレエあるあるの典型です。
他のポジションでもそうですが、腕の始まりは上半身と腕の境目ではなく
肩甲骨周辺からスタートしている
ことを意識したいですね。
肩甲骨周辺から腕を動かすと、肩が上がりにくいので、アラスゴンからアン・オーを行き来する場合に効果的です。
他のポジションに比べて、目立つ腕の位置ですし、手首の形や高さ・幅などにも気をつけたいですね。
【アン・オー(En haut)】
『En』:場所を表す前置詞で「~へ」「~に」
『haut』:形容詞で「高い」「高いところにある」
指先
ここまで腕のポジションを紹介してきましたが、どの形でも注意すべきは指先です。
どんなに腕の部分が正しい形だとしても
指先がダメなら、すべて台無しになる!
ぐらい指先は威力を持っています。
コンクールでも指先の意識が足りない踊りが散見されるので、今一度きれいな形を確認しておきたいですね。
指先の作り方はリンク記事に詳細がありますので、参考にして頂ければと思います。
最後に
腕を含めた上半身の老化現象のスピードは、下半身よりは緩やかなので、大人バレエでも頑張りしだいではまだまだ成長の余地があります。
プロでもポール・ド・ブラだけの練習をしたりすることもあるので、ぜひ鏡を見ながら研究して、きれいな腕のポジションを目指していきましょう!