バレエ

「アン・オー」:万歳ポジションにはならないで!【バレエ初心者必見】

今回は腕の第3ポジション「アン・オー」についてです。

これも他の腕のポジションと同じで、なんちゃってな形は作れますが、バレエとしての綺麗な形を作ったり、維持したりするのは至難の技と言えるものです。

ここではレッスンでよく注意される事項をまとめましたので、参考にしていただければと思います。

【アン・オー(En haut)】

『En』:場所を表す前置詞で「~へ」「~に」

『haut』:形容詞で「高い」「高いところにある」

肩を上げない!

この腕のポジションだけは、手先が肩より上にいくため、アン・ナヴァンから上に腕を上げていく時など、つられて肩も上がりがちです。

肩が上がってしまうと、相対的に首が短く見えて、息苦しい格好になってしまうため、肩は上がらないように注意しましょう。

肩が上がって、首がなくなってしまっている。

アラスゴンの注意点の時にもお話ししましたが、腕は腕の付け根ではなく、肩甲骨周辺から動かす気持ちでいくと肩は上がりにくいです。

肩を力を使って下ろそうとするよりも、肩甲骨わき周辺として、腕を動かすといいでしょう。

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腕を真上(頭上)に持って行かない!

よく誤解されがちですが、アン・オーの腕は頭上に持っていくのではありません。

バレエを何も知らない人が見ると、なんとなく頭の真上に上げているように見えますが、もし頭上に上げてしまうと上体が開いて見えたり、肩がこわばっているように見えてしまいます。

頭の真上に持っていくと、上体が開いてしまう。

腕の場所については、様々な指導表現があり、

「おでこのななめ上に手先が来るように!」

「ひじが耳の少し前に来る感じで!」

など見聞きしてきましたが、いずれにしても、頭上ではなく自分の視界に手先が入るぐらいの感覚で上げていきましょう。

ひじは真横になる!

から見て、ひじが見える形にしましょう。

ひじが正面を向いていると、きれいなオン・オーには見えません。

これはアン・バーやアン・ナヴァンと同じですので、ひじの落ちていないアン・ナヴァンをそのまま上に上げる形です。

また、くれぐれも腕をピンと伸ばさず、ゆるやかなカーブを描いた美しいアン・オーを作るようにしたいですね。

両腕の間隔に気をつける!

両腕の間隔は狭すぎても、広すぎてもいけません。

写真にあるように適度な位置に手先を持っていきましょう。

特に片腕のアン・オーの時に、広げ過ぎの人が散見されるので、正しい位置をしっかりと把握しておきたいですね。

もう少し閉じたい。後ろの女性ぐらいがOK。

両腕の高さをそろえる!

先ほどは両腕の高さの話でしたが、言うまでもなく高さもそろえましょう。

これがまた静止状態ならできるのですが、動きが伴うとグラついて右と左でズレが出てくるものです。

人によっては右肩と左肩での筋力量の違いから、普通に両腕を上げるとそろわない人もいるので、常に正しいアン・オーの感覚を体に染み込ませておく必要があるでしょう。

高さがそろっていない。不安定に見えるし、実際に上体のバランスも不安定になる。

手首を曲げない!

これはバレエレッスンの初心者によく見受けられますが、手首が曲がってしまっている人もいました。

指先の神経まで意識をしていれば、そんなに曲がるものでもないので、指の先が引っ張られるような感覚で、結果手首が真っすぐになるようにしましょう。

手首を真っすぐにしようとするのでなく、その先にある指先から引っ張られる意識が大事ですね。

手のひらを外に向けない!

手のひらが外側に向いてしまって、ただの「万歳アン・オー」になっている人も見かけます。

アン・ナヴァンの形から、アン・オーを作ってみると自然と手のひらは内側を向くはずです。

アン・ナヴァンの記事で、手のひらが見えるように形を作ると書きましたが、それと原理はまったく同じですね。

アン・ナヴァンで手のひらが見えていても、なぜかアン・オーになると手のひらが裏返ってしまう人がいるので、気をつけましょう。

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最後に

結局のところアン・オーも、基本の腕の形アン・バーの延長戦なので、プレパレーションのポーズをしっかり維持してあれば崩れることはないのですが、そこは「言うは易し、行うは難し」で、動作が伴ったりするとなかなか維持するのも、バレエレッスン初心者には難しいかもしれません。

アン・オーはピルエットなどでも使う腕のポジションなので、静止状態で正しい形を作れるようにし、動きのある時でもアン・オーの形を維持できるようにしていきましょう!

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