以前の記事では、金沢・ひがし茶屋街にある「箔一」さんの名物金箔ソフトクリームをご紹介しました。

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今回は、お店で見つけたもう一つの気になるお菓子をご紹介します。

それが「金箔入 金平糖」です。

バレエファンなら、『くるみ割り人形』の「金平糖の精の踊り」を思い浮かべて、思わず手に取りたくなるのではないでしょうか。

「金箔入 金平糖」

金箔ソフトクリームを味わっているとき、店内で見つけたのがこの金平糖でした。
ころんとした小さな粒が並び、まるで色とりどりの星を集めたような可愛らしさ。
そこへ、さりげなく添えられた金箔

金箔のそのものは、決して派手ではありません。
その輝きは、舞台の主役を照らすスポットライトではなく、舞台袖から静かに舞台を支える照明のよう。
あるいは、衣装に織り込まれた金糸のような控えめな存在感です。
その上品な輝きが、金平糖全体を少し大人びた雰囲気へと変えていました。

バレエファンなら思い浮かべる『くるみ割り人形』

「金平糖の精」と聞けば、多くの日本のバレエファンは『くるみ割り人形』のあのチェレスタで有名な踊りを思い浮かべます。

ところが実は、この踊りの原題は「Dance of the Sugar Plum Fairy(ドラジェの精の踊り)」

ここでいうドラジェ(Dragée)とは、ヨーロッパで古くから親しまれてきた砂糖衣をまとったお菓子の総称です。
特に有名なのは、アーモンドを砂糖でコーティングしたドラジェ。
結婚式やお祝い事で使われることが多く、上品さや格式を感じさせる特別なお菓子として親しまれています。

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一方、日本では当時ドラジェ文化があまり一般的ではなかったため

「砂糖菓子」
「可愛らしい」
「星のような形」

というイメージが近かった金平糖が、「ドラジェ」の代役として定着したと言われています。
つまり、日本で親しまれている「金平糖の精」という名前は、親しみやすい意訳なのです。

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金箔が加わることで、ドラジェの世界観に近づく

もちろん、本来のドラジェと金平糖は別のお菓子です。
しかし、この箔一さんの金平糖を見ていると、不思議と『くるみ割り人形』の世界観にぴったり重なって見えてきます。

理由は、金箔。

金平糖だけなら可愛らしい和菓子という印象ですが、金箔が添えられることで、一気に気品が生まれます。
ドラジェが持つ“祝祭”“格式”というイメージに、ぐっと近づくのです。

さらに、小さな粒が並ぶ様子は、チャイコフスキーがチェレスタで描いた、あの透明感あふれる音色にもどこか重なります。

ひと粒ひと粒が、キラリと鳴るチェレスタの音符のよう。

バレエファンなら、思わずあの踊りを頭の中で再生してしまうかもしれませんね。

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店内も「上品な金」の世界

店内の雰囲気も、とても印象的でした。
「金箔」と聞くと豪華絢爛なイメージを抱きがちですが、箔一さんはまったく違います。
和の深い赤、木の温もり、落ち着いた黒を基調とした空間の中で、金箔が静かに輝いています。
けばけばしさや、いわゆる”成金趣味”のような派手さはありません。

むしろ落ち着いた和の空気 × 控えめな金の光という絶妙なバランス。

まるでバレエのティアラのように、主役を引き立てるための美しい輝きです。

金箔そのものが主張するのではなく、空間全体が金の美しさを静かに演出する舞台装置になっているように感じました。

最後に

自分に限らずバレエファンは、気づけば何でもバレエと結び付けて考えてしまいがちです。
でも、そんな見方ができるからこそ、旅先での小さな発見が『くるみ割り人形』の世界とつながり、思い出がさらに特別なものになるような気がします。

「ひがし茶屋街」メインストリート

金沢を訪れたバレエファンの方は、ぜひ一度、この金箔入金平糖を手に取ってみてください。
可愛らしい金平糖が、金箔というひとさじの魔法によって、ドラジェの精が住む優雅な世界へと少し近づいて見えるはずです。

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