別の記事で
「【バレエレッスン初心者必見】大人バレエでも美しく見せるための「上半身だけの練習」のすすめ」
をお話ししましたが、今回はその記事の続編という形で
自宅の鏡の前で自主練する時のポイント
をお伝えしたいと思います。
大人バレエにおいて、会社で働いている人や、家事・育児でお忙しい方は、なかなかレッスンに時間を取れないこともあります。
また、自宅にバーなどがあっても、仕事や家事に追われ、疲れてなかなか動けない方もいらっしゃると思います。
そんな時は、隙間時間を利用して洗面台の鏡や、ガラスに映る自分の姿を利用して、ポール・ド・ブラなどの上半身だけの練習をしましょう。
別の記事でもご紹介しましたが、下の動画のようにプロでも上体だけの練習をしているものです。
ちょっと強引に10個のポイントに絞ってみまたしたが、大人バレエ初心者の方が特に注意した方がいいところなので、練習の際の重点箇所として頂ければと思います。
①常に引き上げを忘れない!
ダンサーが醸し出すバレエオーラは踊りのテクニックだけでなく、身体の引き上げによるものが大きいです。
足のかかとから頭のてっぺんまで、垂直に伸びている様が、一般の人にはないスッと背筋の伸びた独特の雰囲気を作り出してくれます。
背中落ちていたりすると、初心者丸出しになるので、鏡の前に立ったらまず引き上げを意識しましょう。
②アンバーの時は、脇にタマゴを1つ挟む感じで!
初心者にありがちなのが、腕をアンバーの状態の時、ひじが落ちて脇が閉じてしまっていることがあげられます。
ひじを少しあげて、脇に隙間を空けるようにしましょう。
よくある定番の例えとして「脇にタマゴを一つ挟む」というのがありますが、そんなイメージで立ってみましょう。
③腕が動く前に、アロンジェを入れて!
腕を動かす前は、アロンジェを必ず入れる癖をつけましょう。
プリエ・プリエ・グランプリエの前など、腕が引っ張られるように伸びを入れると、ポール・ド・ブラもきれいな軌跡を描きやすくなります。
よく
「一呼吸入れてから動いて!」
という先生もいますが、いきなり腕を動かすのではなく、アロンジェを入れてから腕の運びを開始するようにしましょう。
④地球儀を描くように!腕は常に上下左右に引っ張られている!
ポール・ド・ブラ全般に言えることですが、腕は常に誰かに指先から引っ張られている状態です。
初心者に多いのが、腕の外への引っ張りがなく、アンオー⇔アラスゴンの行き来で、腕がダレてしまっていることです。
自分は「腕で地球儀が描けるように」と習いましたが、自分をコンパスの中心だと思い、しっかり円が描けるように、指先から外側へ引っ張れている意識を保ちましょう。
腕を動かすと言うよりは、指先で円を描いていくというほうがしっくりくるかもしれませんね。
⑤「ひじ落ち」しない!
「ひじ落ち」現象、これ本当に多いです・・・。
立ったままの状態でなら、ひじの落ちていないきれいなアラスゴンの形をできている人でも、腕や足が動き出すと途端にひじが落ちてしまうケースはかなり散見されます。
左右に腕が引っ張れているのは、バランスを取ったりする時や、きれいなピルエットをする上でも、重要なポイントとなるので、ひじ落ちはしないように気をつけましょう。
個人的には初心者はこれが1番目立つ気がしますので、ひじをしっかり保てば、バレエらしさがかなり増してくると思いますよ。
⑥肩を上げない!内にしない!
肩も上がりがちですね、特にアンオーの時など。
肩が上がると、相対的に首が縮まって短く見えてしまい、窮屈な印象を出してしまいます。
常に引き上げを保っていれば、肩が上がることはないのですが、ポール・ド・ブラが始まると肩が上がり始める人は多いので、鏡を見てそういった現象が起こらないように気をつけましょう。
また、肩が下がっていても、上体が丸まって内に入り気味の人も多いので、合わせて注意するようにしましょう。
⑦常に正しい腕の通り道を通る!ショートカットしない!
ポール・ド・ブラの通り道を意識しましょう。
③の地球儀を描けるように、指先から外へ引っ張れるように腕を使うことを書きましたが、それを維持してきちんとした腕の通り道から外れないようにしましょう。
例えばアンバーからアンナヴァンに行くときなど、腕が中央に寄りすぎたり、逆に外側に行きすぎてしまうことがよく見受けられます。
アンオーから腕を下に下ろすときも、どうしても腕の伸びがなくなり、ショートカットしてしまいがちです。
ポール・ド・ブラの近道はやめて、大回りで腕は使いましょう。
それがバレエの上達の近道です。
⑧指先も忘れずに意識する!
指先の汚さは意外に目立ちますよ!
コンクールでもけっこうきれいに踊れているのに、変な形に固まった指先を見ると興ざめしたりします。
よく「指先はきつねの形で!」と言われますが、指の先まできちっと意識しましょう。
⑨腕の運びと「顔の動き・向きとの連動性」がダイナミズムを生む!
複数のダンサーの踊りの中で、何人かがシンクロしたりする動きを見ると、人間は心の中で美しいという感情を抱きます。
それと同じで、顔の動きと腕の動きが、絶妙に絡まりながらきれいに定まった動きをしているのを見ると、観客は無意識に視覚的な心地よさを感じるものです。
この「顔の動き・向きとの連動性」がしっかりと実行されていると、非常に立体的で、動きにダイナミズムが生まれます。
大人バレエの方でも、ここがきちんとできていると、すごくきれいに見えるので、地道に練習してマスターしたいところです。
⑩踊りの決めポーズ
ピルエットやヴァリエーションの最後などに決めるポーズなども鏡で練習できますね。
今まで歌舞伎や京劇など見てきましたが、古今東西ほとんどの舞踊芸術には「見得を切る」動きが出てきます。
「終わりよければすべて良し」という言葉もありますし、ラストの形は美しく決めたいので、鏡に映る自分を見て何度も形の確認をしていきましょう。
最後に
他にも注意する点はありますが、大人バレエはまず上記10点を克服できれば、ぐんと上手に見えるはずです。
隙間時間を利用して練習するのもいいし、曲をかけて楽しみながら上体の動きをチェックするのもいいですよね。
ぜひ今回の記事であげた注意点を参考にしながら、上半身の美しさを極めてくださいな♪