バーレッスンは、正直に言えばとても地味な作業です。

鏡の前でバーにつかまり、プリエ、タンデュ、ロン・ド・ジャンブ……という方手をバーに置いて、立ったままの動きを淡々と繰り返す時間が続きます。

「早くセンターで踊りたい」
「振付をやりたい」

そう感じる人も多いでしょう。

ですが、バレエにおいてバーレッスンは欠かすことのできない「土台作りのプロセス」です。

ここをどう扱うかで、その後の伸び方が大きく変わると言っても過言ではありません。

ここでは大人バレエ初心者向けに、バーレッスンの重要性3つに絞ってご紹介したいと思います。

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①センターレッスンへの“設計図”を作る時間

バーレッスンで行われる

プリエ、タンデュ、ジュテ、ロン・ド・ジャンブ、フォンデュ……

これらの動きには、バレエに必要な身体の使い方がほぼすべて詰め込まれています。

・正しい立ち方
・重心の置き方
・アン・ドゥオールの感覚
・体幹と脚の連動
・動きのコントロール

これらを、まずバーにつかまりながら、分解して確認する。

そして、ある程度コントロールできるようになってから、バーを離れてセンターレッスンへ移行する——そんな設計になっています。

つまりバーレッスンができるようにならないと、センターレッスンをすることはできないので、初心者ならまずバーレッスンの習得に時間をかけることになります。

実際、自分がマンツーマンで受けた時の最初の数回(3回ほど)のレッスンは、ほぼバーレッスンだけでした。

それは遠回りではなく、設計図を作る作業だったと言えます。

バーで正しく立てない状態で、センターに出て自由に動くことは不可能です。

土台が歪んだまま家を建てられないのと同じですね。

②バーレッスンは「原点にして頂点」

バレエの舞台までの流れを大きく整理すると、こうなります。

バーレッスン → センターレッスン → リハーサル(踊りの練習) → 舞台(本番)

バーレッスンは、センターレッスンへ進むための橋渡しの役割を担っています。

理論上、もしバーレッスンが完璧であれば

・センターレッスンにも自然に入れる
・実際の踊りにも無理なくつながる

という状態になります。

つまり、バーレッスンは「準備段階」ではあるものの、最終的には舞台で踊るためのすべてが凝縮された時間でもあるのです。

だからこそ、「原点」でありながら「頂点」とも言えます。

プロダンサーであっても、どれだけキャリアを重ねても、バーレッスンをやめることはありません。

むしろ、年齢や経験を重ねるほど、バーレッスンの質にこだわるようになります。

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③実際の踊りのための「最強の準備運動」

バーレッスンは、センターレッスンや舞台で踊るための準備運動としての役割も担っています。

いきなり大きな動きで踊り始めると、まだ準備ができていない関節や筋肉に負担がかかり、怪我のリスクが一気に高まります。

そのため

・小さな可動域から
・ゆっくりと
・順番に

体を目覚めさせていく構成になっているのがバーレッスンです。

プロのダンサーも、振付のリハーサル前には必ずバーレッスンを行いますし、本番前もバーで体を整えます。

これは、器奏者がいきなり曲を弾かず、音階練習から始めるのと同じ感覚と言えます。

最後に:バーレッスンをおろそかにしない

バーレッスンは、音階練習と同じで、どうしても地味に感じられます。

フロアで伸び伸びと踊りたい気持ちが強くなるのも自然なことです。

ですが、バーレッスンを丁寧に積み重ねた人ほど、センターで自由に踊れるようになります。

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遠回りに見えて、実は一番の近道。

それがバーレッスンです。

「原点にして頂点」

この言葉を、ぜひ一度噛みしめながら、今日のバーレッスンに立ってみてもらえればと思います。