バレエ

「ストゥニュー」はバレエの美学が詰まった形!つなぎのパでも丁寧に練習していこう!【バレエ初心者必見】

今回は「ストゥニュー」の動きを使って、バレエの基本的な動きの注意点を見ていきましょう。

どちらかというと「ストゥニュー」はいわゆるつなぎのパに近いですが、そこには実はバレエの要素がかなり詰まっています。

ここを丁寧に練習し自分のものにできれば、他のパもやりやすくなるし、その後の上達速度も増すので、おろそかにするべきではないでしょう。

「ストゥニュー」の注意点を見ながら、バレエの美学を追求していきましょう。

「ストゥニュー」の動きをおさらい

一口に「ストゥニュー」と言っても様々なヴァリエーションがありますが、ここでは移動するストゥニューで見ていきたいと思います。

上の動画も参照してもらいたいですが、動きを分解すると、ざっくり3段階あって(右側へ移動する場合)

①軸足(左足)をプリエして、動作足(右足)を前に出す

②動作足の方に移動して、左足が前の第5ポジションススを作る

③そのままサッと回転して降りる

ですね。

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

①足を出す時の注意点

膝や足先を伸ばす

言わずもがなですが、出す足の膝や足先を伸ばし切りましょう!

曲がっていると悪目立ちして、素人感が露呈してしまいますので、足の付け根足先を伸ばす意識でもって、足全体を真っ直ぐに見せたいですね。

トップ画像のような形を見せていければいいですね。

軸足のアンドゥオールを忘れがち

動かす足に気を取られて、軸足のアンドゥオールの意識が薄れがち・・・。

膝がインに入ってしまい、バレエでなくなってしまっている場面に、大人クラスで出くわすことが多いです。

膝が内に入っていると、その後のススで、足の第5ポジションにならないので、動作足以上の気遣いが軸足に必要でしょう。

(赤丸)もう少しアンドゥオールがほしい。

ひじ落ち

動作足を出した時の腕は、右腕がアンナヴァン・左腕がアラスゴンが一般的ですが、この時にひじが落ちている人がいます。

ここで落ちていたら、あとでススから回転する時もひじ落ちのまま回るという悲劇的な状況になるので、このプレパレーションの時点でしっかりひじの形も保っていきましょう。

「アン・ナヴァン」:ピルエットでよく使われる重要な腕の形【バレエ初心者必見】今回はアン・ナヴァンのご紹介です。 基本的にアン・バーから腕の高さを変えるだけなのですが、こまごまとした注意点がありますので、特に...

鏡を見ないように

顔は進行方向につけましょう!

膝が伸びているか、軸足大丈夫か、ひじが落ちていないかの確認をするあまり、顔が鏡に向きっぱなしでススに移動する人がいます。

たとえ綺麗に移動ができても、顔が正面を向いたままだと、ちょっと気持ち悪い美しくないので、きちっと進行方向に顔を向けておきましょう。

これ、意外に癖になりやすいので、普段から顔の向きを整えておかないと・・・

本番で思わず出てしまいますよ!!

②ススで足の第5ポジション入れる時の注意点

出した足の位置にのる

たまに出した足の下にススをするのではなく、せっかく出した足を軸足のほうに引き戻して第5ポジションを作る人がいます。

必ず引き戻さずに、前に進む感じで第5ポジションに入れたいですね。

「ストゥニュー」はいわゆるつなぎのパ(ステップ)であり、この後まだ振りが続いていくものなので、それを意識して練習するといいでしょう。

アンドゥオールを忘れない

「ストゥニュー」の時だけでなく、踊りの最中は常にアンドゥオールですが、第5ポジションに入れる際にも改め気をつけるようにしましょう。

第5ポジションに入れず、ほとんだ第6ポジションでススをする人も見受けられます。

必ずきちんとアンドゥオールされた第5ポジションを見せてから回りたいものです。

「足の第6ポジション」レッスンにあまり出ないけど、ウォーミングアップで大活躍する足の形【大人バレエ初心者必見】今回は他のポジションに比べるとちょっと存在が薄い「足の第6ポジション」のお話しです。 先生によっては「パラレル」という言葉を使うの...

ノロノロとススにしない

プリエした軸足で床を強く押して、素早く第5ポジションのススを形作りましょう。

バレエは隙間を嫌う傾向がありますから、もたもたしているとススにいくまでの過程が見えてしまい、隙間が見え見えな中途半端な形が見えてしまいます。

素早く動作足の方に寄せて、足が一本に見えるのが理想ですね。

③ススから回転する時の注意点

素早く回る

サッと回りましょう!サッとですよ♪

ゆっくり回ってみるとわかると思いますが、回転が途中まで行って足が入れ替わる時、両足に隙間が出きます。

のんびり回転していると、この隙間が目立ってしまい、中途半端な印象になってしまいます。

特に大人バレエの方は、早くやっているつもりでもそれほどスピードがなかったりしますので、自分で思っている以上に素早く回転しましょう。

足の回転過程を見せずに回り、隙間を目立たせないことが肝心です。

スポットを忘れない

早く首を回してスポットをつけることは、単純に目が回らないようにするためのものでありません。

つけないと回転にメリハリがなくなり、シャープな動きに見えません。

スポットはたんなる動きの一コマだけでなく

美学的な要素を持つ、れっきとしたバレエの所作

です。

必ず首を素早く回すことを忘れないようにしましょう。

回る時も、ひじ落ちしない

「①足を出す時の注意点」でもありましたが、回転時のひじ落ちにも気をつけましょう。

ススまでは正しい腕の形だったのに、回る段階になって落ちてしまっては興ざめですし、美しい回転となりません。

また、バランス良く回るためにも、ひじはきちんとアン・ナヴァンで回ったほうが、やりやすいです。

「アン・ナヴァン」:ピルエットでよく使われる重要な腕の形【バレエ初心者必見】今回はアン・ナヴァンのご紹介です。 基本的にアン・バーから腕の高さを変えるだけなのですが、こまごまとした注意点がありますので、特に...

最後に

前に進む「ストゥニュー」はつなぎのパですが、一連の振りの中で足の第5ポジションに入れる練習や、ピルエットのスポットをつける練習にもなります。

つなぎのパこそ意外にバレエの美学が詰まっているものですが、「ストゥニュー」はその代表格と言えるでしょう。

「ストゥニュー」というつなぎのパがが完璧にできれば、テクニカルな動きをすることの「つなぎ」になりますので、ぜひ基本に従って練習するといいでしょう。