今回は、足の「4番ポジションのグランプリエ」をあえて行わない教室がある事例をご紹介します。
バーレッスンの序盤に「プリエ・プリエ・グランプリエ」の振りがあり、だいたいの教室ではすべて足のポジションでグランプリエをおこないますが、少数派ですが「4番ポジションのグランプリエ」だけはやらないところがありました。
この記事では、「4番ポジションのグランプリエ」の危険性も交えながら、おこなわない理由を含めてご紹介したいと思います。
バレエレッスン初心者を対象にしていますが、今後教室を変えたときに出くわすこともあると思いますので、ある程度経験を積まれた方も参考になると思います。
「4番ポジションのグランプリエ」の確認
まずは「4番ポジションのグランプリエ」のおさらいをしておきましょう。
4番ポジションはアンドゥオールしながら足を前後に一足分ほど開いた状態で、前のつま先の後ろに、一足分離れて後ろ足のかかとがある感じです。
5番ポジションで一足分前足を出す形とも言えますね。
この状態で身体の引上げを保ちながら、プリエをして下までいくのが、4番ポジションのグランプリエです。
「4番ポジションのグランプリエ」をしない教室
この「4番ポジションのグランプリエ」をしない理由はこの後述べますが、まずはレッスン状況をお話しします。
基本的には第1・第2・第5の足のポジションはグランプリエを行いますが、4番の時だけドゥミ・プリエを2回行った後のグランプリエを、他の振りに変えています。
たとえば、プリエをもう2回やったり、ルルヴェアップしてバランスを取ったり、ロン・ドゥ・ジャンブしたりして置き換えます。
教室によっては、中学生・高校生のクラスは「4番ポジションのグランプリエ」をやっても、バレエを始めたばかりの児童クラスや大人バレエクラスはやらなかったところがありました。
また、あるところは教室の方針としてか、どのクラスであっても「4番ポジションのグランプリエ」を避けているところもありました。
「4番ポジションのグランプリエ」をやらない理由
「4番ポジションのグランプリエ」をやらない理由を説明する教室もあれば、当たり前のようにやらないところもありましたが、大きくは2つの理由があると思います。
膝や股関節に負担が大きい
グランプリエに限らず4番ポジションそのものが、アンドゥオールが十分でなければ、非常に膝や股関節に負担がいきやすく、他のポジションに比べてかなり無理な姿勢です。
初心者向け大人クラスでは、第3ポジションを前に出したような形で十分と指導するところもあるし、ドゥミ・プリエでもアンドゥオールが十分でなければ、初心者には膝に対して非常に危険と言えます。
ドゥミ・プリエでさえ危ないのにグランプリエだともっと危険が増します。
グランプリエで下まで行くと足は開きやすく180度の足にできるかもしれませんが、足をドゥミ・プリエに戻すとき、人によってはアンドゥオールをゆるめないと、膝や股関節がねじれてしまい、場合によっては大きな怪我にもつながるかもしれません。
以上の理由から、コンクールを目指すクラスや留学を考えている生徒以外は、4番ポジションのグランプリエを避ける考え方もありだと思います。
そもそも4番ポジションのグランプリエは踊りにない⇒よって練習に必要ない
ある先生は
「そもそも4番ポジションのグランプリエなんてやんなくていいんだよ!だって踊りにないし!」
と言っていました。
踊りになくても筋力などをつけたり、身体の引上げを調整したりするのに効果的な場合も考えられるので、まったく意味はないとは思いますが、先に挙げたやることによって起こりうる身体への危険性を考えると、きっぱりカットするのも一つの考え方だと思います。
「4番ポジションのグランプリエ」をしないことの弊害
ただし、現状では「4番ポジションのグランプリエ」をやっている教室がほとんどなので、知識として知っておいた方がいいでしょう。
他の教室教えを受ける時に、そこの先生は「4番ポジションのグランプリエ」を重要視しているかもしれませんし、バレエコンクールなどでバーレッスンの審査があるところもあるので、ある程度「4番ポジションのグランプリエ」をやっておかなければ対応できません。
また大人バレエの場合でも、初めての教室では「4番ポジションのグランプリエ」がなくても、別の教室やスタジオを変えた時に、いきなり「4番ポジションのグランプリエ」が出てきたら、戸惑うこともあるかもしれません。
仮に「4番ポジションのグランプリエ」を行わないことが身体的に正しいとしても、ゆるくアンドゥオールして危険性を考慮に入れながら、動きだけでも慣れておくのが個人的にいいと思います。
最後に
逆に
「4番ポジションのグランプリエをはずすのはありえない」
いう指導者もいらっしゃいましたが、ほとんどの先生は「4番ポジションのグランプリエ」は大人バレエ初心者には厳しいものであることは認識していました。
バレエ初心者の方は、「4番ポジションのグランプリエ」の危険性を認識しながら、自分の身体条件と相談して、ゆっくりとしたプロセスで習得していくといいかもしれませんね。
いきなり完璧なポジションを目指さず、膝や股関節への危険性も考えて楽しいレッスンライフをおくってもらえればと思います。