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バレエの足の3番ポジションは5番ポジションの簡易版!?:オープンクラスや教室を変えたときの注意【バレエレッスン初心者必見】

今回は、足の3番ポジションを簡易版5番ポジションとして使う教室と、5番ポジションを大人バレエでも妥協なく入れるように指導する教室を、比較しながらご紹介したいと思います。

バレエ教室によって、特に大人バレエクラスでは、5番ポジションをしっかり入れるように指導するのではなく、3番ポジションに近い形にするように言うところもけっこうあります。

一方で3番ポジションを紹介せず、必ず足を5番ポジションの形にするよう指示する教室も少なくはないです。

上記2つの教室の状況と違いを知っておくと、オープンクラスのスタジオに行った時やバレエ教室を変えた時に、レッスンにもスムーズに入りやすくなるかと思いますので、比較しておくことはレッスン経験の浅い方に有益だと思います。

この記事はバレエレッスン初心者を対象にしていますが、人によっては今後教室を変えたときに出くわすこともあると思いますので、ある程度経験を積まれた方も参考になるはずです。

5番ポジションと3番ポジションのおさらい

まず足の3番ポジションと5番ポジションのおさらいをしておきましょう。

5番ポジション

両足が前後にクロスして密着しており、前足のつま先と後ろ足のかかとの部分がくっついている状態ですね。

足が180度に開かれて、両足が平行して隙間なく密着されているのが理想の5番です。
きれいなしずくが見えるぐらいアンドゥオールされて足が交差されている形は、いつ見ても美しさを感じますよね。

「バレエのポーズの代名詞は、アラベスクではなく5番です!」

という先生もいましたが、クラシックバレエにおいては5番は命とも言えます。

3番ポジション

5番からやや外側に足をずらして、前後のかかとがくっついた状態が3番です。

御存じレッスンではあまり重要視されていませんが、踊りに関して言えば、民族舞踊などのパートで使われたりします。

その意味では、決して5番の劣化バージョンではありません。

それぞれのポジションの教室でのレッスン状況

5番ポジションと3番ポジション、それぞれどのような感じでレッスンをしているかお話しします。

5番ポジション

まず3番ポジションはNGで、5番ポジションだけしか認めない教室ですが、その指導に関して一番印象的だった先生の言葉は

「(5番に)容赦なくぶち込んで!」

です。

どんなにアンドゥオールができていなくても、まずはガッツリ無理してでも5番ポジションに入れるように指導されます。

それは大人でも例外ではありません。

妥協なく5番に入れるように言われますし、そのためにアンドゥオールも骨盤から何としてでも開かせようとします。

3番ポジション

子供の頃からやっていてアンドゥオールが十分な大人の方には5番ポジションに入れるように指導しますが、そのほかの場合は「ゆるい5番ポジション」として3番ポジションでするように指導しています。

とくにアンドゥオールの開きがかなり狭い人には、怪我の危険性から5番を絶対にやってはいけないように指導している教室もありました。

このやり方は、多くの教室が大人バレエクラスで採用していましたが、中にはバレエを始めたばかりの児童クラスでもやっている教室がありました。

それぞれのポジションのアプローチ理由

5番ポジションを推奨する理由

最初から3番ポジションでやったら、5番ポジションへの志向が希薄になることがあげられます。

確かに大人からバレエを始めた方に理想の形を求めるのは酷ですが、それでも5番ポジションはバレエの基本的なポーズです。

バレエをやるうえでは少しでも5番ポジションの形に近づくべきなので、5番ポジションを意識させるためにも、指導者によっては3番ポジションの形をできるだけ避けていました。

5番ポジションへの意識が足りないと、筋力や柔軟性がいつまでたっても身に付きませんものね。

ある指導者は5番ポジションがゆるい人にも、3番ポジションを見て見ぬ振りして黙認しながら

「5番!5番!」

と言い続けていました。

3番ポジションを推奨する理由

これは大人バレエは5番ポジションは厳しいものとして、始めから3番ポジションに妥協している感じですね。

大人バレエでは十分なアンドゥオールが難しいし、無理やり5番ポジションに入れようとすると膝を痛めてしまう可能性があるので、安全第一と考えて3番ポジションを推奨していました。

もちろん5番ポジションが理想の形であることは強調しますし、恵まれた身体条件を持っていたりする人へは5番ポジションに入れるように指導しますが、基本的には足の開きや年齢などを考慮して、5番より浅いポジションをするように指導していました。

確かに無理やりに5番に入れようとして膝を痛めてしまった大人バレエの方もいましたし、自分も5番プリエから元に戻る時に膝と足先が同一方向でなくなり、ねじれてしまって痛い思いをしたことがあります。

教室側も生徒の安全なレッスンに気を配る必要があるので、5番ポジションの重要性はわかっていても、それを義務として課すのは難しいとの判断ですね。

個人的な意見

今までいろんな教室やオープンクラスを受けてきましたが、個人的には

「3番ポジションでかまいません」とは、言わないほうがいい

と感じました。

理由としては、やはり

5番ポジションへの意識がおろそかになる

からです。

3番ポジションに入れると決めてしまったら、それ以上のアンドゥオールの意識がなくなり、柔軟性や筋力の強化にはつながらなくなってしまいます。

なので、もし安全性を考慮した言い方をするなら、例えば

「できるだけ5番ポジションに入れることを目指して、難しければちょっとゆるめでもいい」

など、3番ポジションと決めない表現のほうがいいかと思います。

バレエは、特に古典に関しては

5番ポジションの形に美意識を見出している

側面もあり、かなり基本中の基本の形なので、レッスンでは5番への志向はやはりなくさないようにするべきです。

最後に

とは言え、大人バレエでは限界があるので、膝などを痛める危険性を回避するためにも、妥協した5番ポジションはしょうがないと思います。

人によっては、3番ポジションぐらいにしておくほうが無難でしょう。

ただ、それでも5番ポジションはバレエの一つの完成形であることを念頭に置きながら、できるだけ5番ポジションへ意識を忘れないでほしいですね。

5番ポジションをどこまで求めるかについては、教室の方針や指導者によって様々なので、初心者の方はオープンクラスなどで新しい指導者に習うときは、上記の点に注意してレッスンしていくといいですよ!

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