今回は大人バレエにとって、最も難しいと思われる足の第4ポジションのご紹介です。
バレエ雑誌に出てくるような美しいポジションのイメージに縛られ、無理やり第4ポジションの形を作ろうとして怪我をされた方をいくつかの教室で見てきました。
そういう悲劇を防ぐためにも、ここでは第4ポジションの危険性と、大人バレエにとっての妥協した形をご紹介したいと思います。
プロのバレエダンサーがやるような理想の形にとらわれず、特に初心者の方は始めは大人バレエに適した第4ポジションを目指していただければと思います。
「足の第4ポジション」のおさらい
第4ポジションはアンドゥオールしながら足を前後に一足分ほど開いた状態で、前のつま先の後ろに、一足分離れて後ろ足のかかとがある感じです。
5番ポジションで一足分前足を出す形とも言えますね。
もちろん両足とも180度で、まっすく一直線に真横に向いているのが理想です。
踊りではピルエットのプレパレーションで出てきますよね。
「足の第4ポジション」は大人バレエにはかなり危険!
第4ポジションは、他のポジションに比べると格段に怪我の危険性がアップします。
アンドゥオールが十分でないのにもかかわらず、バレエの本にあるような第4ポジションを目指すと、足先と膝の方向が一致せず「ねじれ現象」が起きて膝か足首を痛めてしまう可能性が高くなります。
また大人バレエの可動領域を超えて無理矢理180度にしょうとすると、特にプリエの時などに股関節に負担がかかります。
プリエも大変ですが、グランプリエはもっと危険です。
グランプリエで下まで行くと、足は開きやすく180度の足にできるかもしれませんが、足をドゥミ・プリエに戻す時、人によってはアンドゥオールをゆるめないと、膝や股関節がねじれてしまい場合によっては大きな怪我にもつながるかもしれません。
後述しますが、教室によっては大人バレエのクラスでは、第4ポジションのグランプリエをしないところもあるぐらいなので、第4ポジションをする際は、かなり動きに注意しておこなったほうがいいでしょう。
大人バレエの妥協した「足の第4ポジション」
足の第4ポジションは、プロのような美しい形を目指さず、まずは妥協した形で行うのをオススメします。
3点御紹介しますので、状況に応じて試してみてください。
足の前後の幅を狭くする
まず足の前後の幅を調整しましょう。
基本的に一足分ほどの幅のところを、もう少し気持ちせまくしておこなうと、膝などへの負担が軽減されます。
第5ポジションから、ほんの少し前に出した感じでしょうか。
少し幅をせばめるだけでも、怪我の危険性は減ると思います。
足を横にずらして、重なりを浅めにする
先ほど、足の第4ポジションの作り方で、第5ポジションを前に出す形と書きましたが、足の位置を少し横にずらして、前に出してみましょう。
第3ポジションを前に出したような形ですね。
教室によっては、第1ポジションを一足分前に出す形でと指示するところもありました。
膝や腰がねじれたままでレッスンをするより、大人バレエ初心者には安全ですし効果的でしょう。
アンドゥオールの角度を浅くする
180度の第4ポジションは、よほど骨格に恵まれている人でない限り、大人バレエ初心者の方は控えましょう。
始めは100度でも十分ですから、徐々に他のポジションが広がるようになったら、第4ポジションも角度を広めていくのでいいと思います。
前述したように、グランプリエで下に行くと180度しやすくなりますが、再び上に戻るときに180度を保ったままでいくと、かなり下半身に負荷がかかるので、戻るときはアンドゥオールを浅めに調整するようにしてください。
「足の第4ポジション」のグランプリエをやらない教室も多い
第4ポジションは大人バレエには厳しいポジションなので、妥協しながらやっていったほうがいいというお話しをしてきましたが、教室によっては第4ポジションそのものをやらないというところもありました。
まあ、第4ポジションのドゥミプリエをやらないというところはさすがに珍しく、超入門クラスのあるバレエ教室で遭遇したぐらいですが、第4ポジションのグランプリエを避けるのは、いくつかの教室が大人クラスで取り入れていました。
第4ポジションのグランプリエは前述したように、かなり危険な動作なので、そこの部分はルルベアップにしたりロンドゥ・ジャンブ・ア・テールにしたりしていました。
過去に第4ポジションのグランプリエをやらない教室を特集したので、詳細を知りたい方は下のリンク記事をご覧になっていただければと思います。
最後に
ある教室の先生が
「バレエに熱心な初心者の方がいるけど、絵に描いたような完璧な第4ポジションを目指そうとして困っている・・・」
と言っていました。
先生が妥協した形での指導をしても、生徒さんはバレエ雑誌やネットにある理想の第4ポジションをやろうとして、腰や膝がゆがんでしまっているとのことでした。
いきなり理想を追求しようとすると大きな怪我につながる可能性が高くなり、大好きなバレエさえもできなくなるかもしれないので、くれぐれも段階を踏んでポジションを形作っていきたいですね!
☑大人バレエには厳しいポジションであること理解しておく
☑大人バレエは両足の前後左右の幅や、アンドゥオールの角度を調整する
☑「足の第4ポジション」のグランプリエをしない教室もある