皆さんは、バレエの代名詞のポーズと言えば、何を思いつくでしょうか??
世の中的には「アラベスク」と答える人が多いでしょう。
でも、ルイ14世が統治するフランスにおいて、バレエが芸術として確立しつつあった時代で最も美しい形とされたのは「足の第5ポジション」でした。
そもそもレッスンでやる第1から第4のポジションなどは、まあ言ってみれば後付けで整理されたもので、当時の宮廷バレエにおける美しさは、「足の第5ポジション」を追求するものでした。
映画『王は踊る(1653)』(Le roi danse – Ballet de la nuit )の中で再現された踊りにも「足の第5ポジション」が強調されていることがわかります。
なので、バレエの代名詞と言えば、歴史的にも「足の第5ポジション」と言っても過言ではありません。
ある先生は
「バレエのポーズの代名詞は、アラベスクではなく5番です!」
と豪語していましたが、その通りと言えるでしょう。
今回はこの「足の第5ポジション」について、大人バレエ初心者がやりがちな間違いと注意点を中心にお話してしていきます。
「足の第5ポジション」のおさらい
「足の第5ポジション」は
両足が前後にクロスして密着しており、前足のつま先と後ろ足のかかとの部分がくっついている状態
です。
足が180度に開かれて、両足が平行して隙間なく密着されているのが理想の第5ポジションですね。
第5ポジションがしっかり出来ていると、足と足との間にしずくのような形ができます。
これこそが元祖バレエの代名詞の形ですね。
「足の第5ポジション」大人バレエ初心者用の注意点
とは言え、他のポジションの記事のところでも言及しましたが、バレエを始めたばかりの人は、よほど骨格に恵まれているのでない限り、すぐにできるものではありません。
理想の形に近づくためには、地道なレッスンの継続が必要です。
ここでは、大人バレエ初心者の方向けに注意点を3つに絞ってご紹介します。
アンドゥオールの角度は100度からでもオッケー!
完璧に180度開いたアンドゥオールは一朝一夕でできるものではありません。
始めは100度ぐらいでも十分ですので、少しずつ開いていきましょう。
120度までいけば十分綺麗で、足をずらしてクロワゼにすればしずくの形を作り出すことできますよ。
大人クラスに限らず、ジュニアクラスでもいきなりの綺麗な第5ポジションは求めないことも多いので、地道にレッスンをしてアンドゥオールの角度を広げていきましょう。
骨盤は真っすぐにして、傾けないように!
足の第5ポジションは足を交差させる形なので、大人バレエ初心者には体の中心を取りづらく、骨盤がずれて真っすぐに立っていないことが挙げられます。
少しアンドゥオールの角度をゆるめにしてもいいので、おへそを前にするような姿勢で立つようにしましょう。
骨盤の形がゆがんでしまったままバーレッスンをしても、足を正しい形に運べず意味のない練習になってしまいますので気をつけましょう。
また「第5ポジション」は他のポジションに比べて上半身が不安定になりやすいので、骨盤を真っすぐに立てることは、上半身がグラグラしてしまうのを防ぐことにもつながります。
足を交差させる際に、膝が緩みがち!
第5ポジションは両足を交差させるので、膝もくっつきます。
その際に膝が当たるせいなのか、足が伸び切らず少し曲がっている人がいます。
引き上げや膝を伸ばす意識を忘れずにして、きれいな第5ポジションを形作りましょう。
また5番ルルヴェで、横から見ると隙間ができていることを指摘される😅
膝やももよりも、足首周辺の密着が甘いとのこと✋
「バレエのポーズの代名詞はアラベスクではなく5番」
ていう先生もいるぐらいだし、どこから見ても隙間のない綺麗な5番を、今一度心がけよう✨
— ゴン@バレエ好き or ウィリに囚われし者 (@GONGZHImogutubu) July 27, 2021
大人は第5ポジションでなく、始めは第3ポジションを代用してもいいという教室もある
いくつか注意を書きましたが、そうは言っても大人から始めた人には、アンドゥオールが不十分だとかなり厳しいかもしれません。
なので教室や先生によっては、大人バレエクラスやジュニアクラスでは、いきなり第5ポジションを求めるのではなく、第3ポジションでやるように指示されることもあります。
別の記事にまとめてありますので、詳細はそちらを参考にしてもらえればと思います。
最後に
第1から第4までのポジションのプリエやグランプリエの練習は・・・
きれいな第5ポジションを作るためにある!!
と言うとちょっと言いすぎですが、それぐらいクラシックバレエにおいて「足の第5ポジション」は様式美の代表と言える形です。
バレエの根幹をなす一つの完成様式なので、美しい「足の第5ポジション」を目指して日々レッスンに取り組みましょう。
☑初心者はアンドゥオール浅めでもいい
☑骨盤は真っすぐにして、傾けない
☑膝が緩みがちだけど、しっかり伸ばす
☑第3ポジションを代用する教室もある
☑バレエのポーズの代名詞は、アラベスクではなく、「足の第5ポジション」!!