バレエ

バレエと新興宗教の問題:旧統一教会とバレエの関係について

今回は安倍晋三元首相銃撃事件から何かと話題になっている旧統一教会とバレエに関するお話です。

旧統一教会には、関連団体として旧統一教会の創始者・文鮮明によって創設されたバレエ団があります。

ユニバーサルバレエ団という団体ですが、韓国では韓国国立バレエ団ソウルバレエシアターと並んで韓国3大バレエ団の一つとされています。

バレエ愛好家には、このバレエ団が旧統一教会の関連団体であることは周知の事実なのですが、バレエのことをよく知らない人には普通のバレエ団として見えるかもしれません。

今回はこのユニバーサルバレエ団についてと、日本においてもバレエ教室などに新興宗教が絡んでくる事例を、自分の経験を通してお話ししたいと思います。

旧統一教会の関連団体「ユニバーサルバレエ団」について

日本で来日公演をしたこともあり、バレエ界ではそれなりに知名度のあるバレエ団です。

1984年に統一教会創始者・文鮮明師により創立され、かつてはキーロフバレエ(現マリンスキーバレエ)の芸術監督だったオレグ・ヴィノグラードフが関わっていたり、ボリショイバレエプリンシパルのセミョーン・チュージンも、ここのバレエ団からキャリアを始めています。

日本人も在籍しており、ここから日本の某バレエ団のプリンシパルになった女性ダンサーもいます。

古典作品の上演だけでなく、イリ・キリアンやウィリアム・フォーサイスなどコンテンポラリー作品にも幅を広げているので、資金力もあって実力もあるバレエ団と言えるでしょう。

このように著名な芸術監督や振付家・ダンサーと組んで一定の評価は受けているので、新興宗教の関連団体とは一見するとわからず、そこが少し怖いところでもあります。

バレエを隠れ蓑にする新興宗教

もちろん団員がみんな信者ということではないし、ひょっとしたら団員自身も旧統一教会が作ったものという認識さえないかもしれません。

ただ、旧統一教会がお得意の宗教団体であることを隠して活動するやり方は、バレエ団の運営にも見ることができます。

公式ホームページには何ら旧統一教会の匂いを感じる文言はありませんしね。

団員も信者ではないにしても、統一教会の非難めいたことは言えないでしょうし、何らかの圧力もあるでしょう。

少なくとも悪いことは言えないはずです。

旧統一教会は、サークル団体・ボランティア団体・平和団体など、人の善意などを利用して布教(洗脳)したりしますが、バレエ界にも入り込んでいるのは、バレエ愛好家としては気持ちのいいものではありません。

バレエ団の運営は大変なのに、バレエ団を作る財政基盤がしっかりある統一教会に怖さを感じますし、また霊感商法による献金がバレエ団の運営資金にも流れていることを考えると、ユニバーサルバレエの公演を見るのもためらいを感じます。

バレエ教室における新興宗教の遭遇事例

ここで自分のバレエ教室に関わる新興宗教の遭遇事例3つ紹介したいと思います。

自分はかれこれ30教室以上のバレエ教室やバレエスタジオのオープンクラスを巡ってきましたが、そこでの新興宗教との遭遇体験が、皆さんのバレエにおける新興宗教からの危害を防ぐことになるかもしれないので、お話しておきますね。

下記の3つは、旧統一教会以外の新興宗教の事例でもあるので、どの宗教にも当てはまることです。

①生徒からの宗教勧誘

一つ目は、教室やオープンクラスのスポーツジムでの、生徒からの宗教勧誘です。

やけに親しげに話しかけてくる年配女性がいたのですが、ある時

「どこどこの教団施設に話を聞きに来ないか」

と勧誘が始まりました。

最初は何でもない話題で近づいてくるし、宗教以外の部分ではいい人だったりするので、なかなか困ったものです。

こういう場合、本性をあらわしたら距離を置くほうがいいでしょう。

あんまりしつこければ、先生に報告して対処してもらう必要も出てくるかもしれません。

②ゲストダンサーからの宗教勧誘

二つ目は、発表会のゲストダンサーからの勧誘です

ゲストダンサーから発表会で

「今度の選挙であの人に投票してほしい」

と言われました。

これは勧誘ではありませんが、けっこうしつこく選挙に出る人のプロフィールを紹介してきたので、発表会本番前で緊張している時に楽屋でそういうことをされると、ちょっと迷惑でした。

「先生(教室の主宰者)には、宗教活動や勧誘をしていいか許可を得ましたか?」

とやんわりと婉曲的な意思表示をしたら、相手の話は終わりましたけど、ゲストダンサーなので無下に無視できないところが、生徒が勧誘する場合と違って難しいところです。

③バレエ教室の運営者が途中で新興宗教に入信

三つめは、教室の運営者が途中で新興宗教に入信した事例です。

教室の運営者が、生徒である年配の女性に誘われ入信することもありました。

新興宗教の中でもまだ穏健な部類だったので、生徒に信仰を強い始めることはなかったですが、もし社会的に問題のある新興宗教に入っていたら、バレエ教室が異質なものになっていたことでしょう。

主宰者がもともと新興宗教出身者であるケースもあると聞きますし、こういう場合は教室の変更を余儀なくされることもあるかもしれません。

ゲストダンサーや教室主宰者が勧誘をしてきた場合、無視するのは難しい状況もあるかもしれませんが、毅然とした態度で興味がないという意思表示をしないと、どんどんプライベートに踏み込んできたり、宗教仲間に会わせようとしてきたりします。

あいまいな態度は取らず、きちっとした言葉で断わらなければなりませんね。

最後に

旧統一教会の関連団体から、バレエ教室で宗教がらみの勧誘されたことのある自分の体験までお話してきましたが、勧誘に関してはどこの組織にいても出くわす問題でしょう。

日頃からアンテナを高くして、どの団体がどんな組織なのかは注意しておくほうがいいかもしれません。

あまり気にしすぎて疑心暗鬼になる必要はありませんが、楽しくレッスンするためにも日頃からの意識は必要ですよね。

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