「バーレッスン」では何をしている?プリエからグラン・バットマンまで基本の流れと練習の目的
今回は、バーレッスンで実際にどんな作業を行っているのかを、初心者向けに整理してみます。
初めてクラスを受ける前に、ざっと目を通しておくだけでも「今、何をやっている時間なのか」がわかり、レッスンへの不安はかなり減りますので、参考にして頂ければと思います。
一般的なバーレッスンの順番と全体像
まずバーレッスンの一般的な順番と全体像を把握しておきましょう。
だいたいのバレエレッスンは、次のような流れで進むことが多いです。
1.プリエ Plié
2.タンデュ Tendu
3.ジュテ(別称 デガジェ/グリッセ) Jeté (Dégagé / Glissé)
4.ロン・ドゥ・ジャンブ・ア・テール Rond de jambe à terre
5.フォンデュ Fondu
6.フラッペ Frappé
7.ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール Rond de jambe en l’air
8.アダージオ(デヴェロッペ) Adagio(développé)
9.グラン・バットマン Grand battement
※スタジオやクラスによっては順番が前後したり、複数の要素を組み合わせて行われることもあります。
※レッスンの始めに両手バーを使った「ウォーミングアップ」、最後に「リンバリング(バーを使ったストレッチ)」を入れることもあります。
この並びの大きなポイントは
「小さな動き・ゆっくり・支持(バーへの依存)多め」から「大きな動き・速く・支持少なめ」へ段階的に負荷を上げていく構成
になっていることです。
前半(1〜3):床を押す感覚や脚の方向性、動き出しの速さを作る時間。
中盤(4〜6):股関節の可動域、片脚で支える力、素早い反応を養う時間。
後半(7〜9):脚の高さや軸の強さを、センターレッスンにつなげていく仕上げの段階
のような目的で、徐々に動きをダイナミックにしていくことを狙っています。
バーレッスンの具体的な動きとその意味
次にそれぞれの動きとその目的について一つずつ見ていきましょう。
動画も参考にしてみてください。
1.プリエ Plié
<動き>
アンドゥオールを意識しながら、足の向きと膝の向きをそろえたまま膝を曲げ伸ばしし、床をしっかり踏みながら身体をまっすぐ上下させる動き。
<目的>
股関節・膝・足首を同時に使いながら、「沈む→伸びる」というバレエの基本動作を身体に通す練習です。
ジャンプ、ターン、止まる動き――ほぼすべての土台になるため、地味ですが非常に重要です。
2.タンデュ Tendu
<動き>
軸脚で床を押し続けながら、もう一方の足を床に擦るように前・横・後ろへ伸ばし、同じ道を通って戻します。
<目的>
足先だけで動かすのではなく、腿や体幹まで含めて「どの方向に立つのか」「どこへ伸びるのか」を明確にする基本練習。
軸脚の安定を意識し始める最初の段階でもあります。
3.ジュテ(別称 デガジェ/グリッセ) Jeté (Dégagé / Glissé)
<動き>
タンデュと同じ通り道を使いながら、足が床から軽く離れるところまで素早く伸ばし、キレよく切り替えます。
<目的>
床を押す力を、瞬発的な動きへ変換する練習。
小さなジャンプや素早いステップに必要な「反応の速さ」を作っていきます。
4.ロン・ドゥ・ジャンブ・ア・テール Rond de jambe à terre
<動き>
床の上に円を描くように、脚を前・横・後ろへとゆっくり回します。
<目的>
骨盤をなるべく動かさず、脚だけを大きく滑らかに動かすことで、股関節の可動域と安定した軸を同時に育てます。
方向が変わっても崩れない身体作りの要です。
5.フォンデュ Fondu
<動き>
立っている脚と動かす脚の膝を同時に曲げ、同時に伸ばすことで、沈み込みから持ち上げまでを丁寧につなぎます。
<目的>
ジャンプやデヴェロッペの前段階として、「沈んでから伸びる」タイミングと片脚支持の感覚を磨く練習。
つなぎの動作の練習としても効果的で、動きが一気に「踊り寄り」になります。
6.フラッペ Frappé
<動き>
曲げた足をくるぶし付近にセットし、床を打つように素早く伸ばして、すぐに戻すリズミカルな動き。
<目的>
足首・膝の反応速度を高め、シャープなアクセントを作る練習。
同時に、軸脚をぶらさず保つ集中力も鍛えられます。
7.ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール Rond de jambe en l’air
<動き>
脚を空中に持ち上げたまま、円を描くようにゆっくり回します。
<目的>
高さよりも「空中で脚を支え続けること」がテーマ。
体幹と股関節のコントロールを養い、アダージオや大きな動きへの準備をします。
8.アダージオ(デヴェロッペ) Adagio(développé)
<動き>
脚をゆっくり上げ下げしながら、長い時間ポーズを保ち、上半身や腕のラインも含めて全身でバランスを取ります。
<目的>
スピードではなく「保つ力」と音楽性を養う練習。
センターでのバランスや、パ・ド・ドゥの練習にもつながる重要な時間です。
9.グラン・バットマン Grand battement
<動き>
プリエで床をしっかり押してから、脚を大きくダイナミックに振り上げ、素早く戻します。
見た目キックのようで、実際に海外のスタジオで受けたレッスンで「Kick!!」って生徒たちにもっと足を上げるよう発破をかけている先生もいました(笑)
<目的>
可動域を広げるだけでなく、強い押し出しと安定した戻りを身につける練習。
大きな動きでも軸を失わない身体を作ります。
最後に
これらの動作の単語を、最初からすべての動きを完璧に覚えようとする必要はありません。
「バーレッスンにはこういう順番があり、それぞれに明確な目的がある」
――それを知っておくだけで、レッスン中の理解度は大きく変わります。
バーで行っている一つひとつの作業は、すべてセンターレッスン、そして「踊り」へとつながっていきます。
まずは全体像をつかみ、身体で少しずつ慣れていきましょう。
