バレエ

【バレエッセイ】たまにある「バレエ差別」。男性大人バレエをしていると、差別される側の気持ちがわかる!?

今回はアメリカのテレビ番組で、あるキャスターが男子・男性がバレエをすることを揶揄して炎上した事例を通して、大人の男性がたまに直面する「バレエ差別」についてお話ししたいと思います。

多様性が尊重されつつある世の中でも、性差別や人種差別は根強く残っていますが、バレエにもいまだに

バレエ=女子・女性がするもの

という固定観念があります。

バレエに関係していると、たまにそういった偏見と対峙しないといけないこともあるのですが、男性がバレエをしているとそういったことに遭遇することもあることを知っていただければ幸いです。

アメリカの情報番組の女性キャスターがジョージ王子のバレエ好きを揶揄

2019年の話ですが、情報番組「グッドモーニング・アメリカ」のキャスター、ララ・スペンサーさんがイギリス王室のジョージ王子がバレエをしていることを茶化すような発言をして問題になりました。

ジョージ王子が「男のくせに」バレエをしていることをからかった発言でした。

バレエ=女子・女性がするもの

という固定観念が念頭にあった発言で、これにはバレエ界のみならず他のジャンルのダンス界も含めて批判が上がり大炎上しました。

このニュースを聞いても、大人からバレエを始めた自分は、いろいろと差別的な発言や偏見を受けてしまってきたせいで達観して(あきらめて)しまっているのか、最初はあまり気にしなかったですが、実際の発言してる場面を見たときはやはりいい気持にはなりませんでした。

このようなからかいいじめにより、バレエをやめてしまった男子・男性を見てきたので、そういった人たちを思い出しました。

一般人ではなく、テレビに出て社会的影響のある人が、一部の人を嘲笑するような発言をするのはかなり不適切なことでしょう。

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人は知らないことを馬鹿にする・恐れる傾向がある

多様性が叫ばれているこの時代に、そんな発言をテレビで口にしてしまうのは大変に浅はかなことですが、このキャスターは単にバレエに関して情報弱者だったとも言えます。

人は知らないことを馬鹿にする・恐れる傾向

があり、このキャスターもバレエをほとんど知らなかったのでしょう。

自分の知識の範囲外だったので、従来のバレエ=女子・女性がするものという情報(知識)だけで口に出た言葉だったかもしれません。

キャスターは猛烈な非難を浴びて、その後謝罪をしていましたが

バレエ=男性も女性もする

という知識が入ったので、ジョージ王子を嘲笑する気持ちもバレエをする男子・男性を馬鹿にする気持ちもないでしょう。(と信じたい)

周囲で一緒に笑っていた人達も同じように反省していればいいのですが。

普通の人は差別発言を注意してもらえない

この方は幸い?顔出しを売りにする職業だったから、みんなが(非難してくれて)教訓とすることできますが、一般人ではそうもいかないです。

そういう発言をしても誰も注意することはないし、発言を受ける男性大人バレエ側も反論するだけ無駄として、聞き流すことも多いです。(本当は反論したほうがいいのでしょうけどね)

男がバレエなんて気持ち悪いなんて言う人は今までたくさんいましたし、そういう人はずっとバレエ=女子・女性がするものという図式で物事を判断していくでしょう。

過去の記事である病院の先生(女性)にバレエをしていることを言ったら奇異の目見られたことをお話ししましたが、一応知識・教養のあるはずの職業の人でもその人の情報の範囲外がであれば、人は時として攻撃的な動物になるものです。

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男性大人バレエをしていると、差別される側の気持ちがわかる

映画『リトルダンサー』でも、始めはバレエは女子・女性がやるものと思っていた主人公がバレエに目覚めた後に、周囲の偏見や差別と対峙する場面がありましたが、バレエをやっていると周囲の固定観念との軋轢に翻弄されることもあります。

男のくせに何やってんだと言われることもあるし、気持ち悪がられたりもします。

バレエダンサー全般を指す状況の会話の中で「大人リーナ」という言葉を使われると、男性の自分は除外されているように感じることもあります。

バレリーナは女性を指すイタリア語。ちなみに男性はバレリーノ

『リトルダンサー』の主人公がバレエを選択する(マイノリティーになる)ことにより、同性愛傾向のある親友の特性を理解したように、バレエをするとちょっと言われなき差別を受ける気持ちがわかるものです。

そういう意味でもバレエをやっていてよかったと思うこともあります。

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最後に

冒頭に紹介したテレビキャスターを非難することは簡単ですが、自分の中に無意識にあるかもしれない差別や偏見にも気をつけようと思いました。

人は知らないことを馬鹿にする・恐れる傾向がある

ことを話しましたが、誰でも無知な部分があるし、常日頃から発言には注意すべきところですよね。

バレエ=女子・女性がするものという図式はそんなにすぐに変わるものではないですが、少しでも「バレエ差別」が減っていけばと思います。

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