スイス旅行

マッターホルンのモルゲンロート:「3100クルムホテル ゴルナーグラート(3100 Kulmhotel Gornergrat)」の部屋から見る美しい朝焼け

今回は2024年9月中旬に早朝のマッターホルンで見たモルゲンロートについてのお話しです。

モルゲンロートはいわゆる朝焼けのことで、朝の光が山の尖った頂を柔らかく照らし出すことですね。

空は淡いピンクやオレンジ、紫のグラデーションに染まり、山のシルエットがその美しさを際立たせます。

このマッターホルンが静かに目覚める瞬間は、大変美しく神秘的であったので、ここでその一部始終をご紹介できればと思います。

モルゲンロートの前は、なんと満月が出ていた!

モルゲンロートの始まる前は、偶然にもまさかの満月が空を美しく彩っていました。

丸顔の月がまだ夜空に残る中、太陽が昇り始めることで、月と朝日が同時に空を彩る現象は非常に珍しく、美しい光景でした。

山岳地帯では、夜明け前後の空の透明度が高いため、月の光と日の出の光が互いに干渉せず、くっきりと見えることがあり、夜の静けさを象徴する満月と、新しい一日の始まりを告げるモルゲンロートが「ニアミス」する瞬間は、まさに自然が創り出す舞台の一つのハイライトでした。

マッターホルンの頂に光がともる瞬間

モルゲンロートが始まる瞬間は、まるで自然が新たな一日の始まりを世界に告げるかのようでした。

薄い光がにじむ中、まずは空が微かに明るくなり、深い青からだんだんグラデーションが広がります。

この瞬間、周囲は静まり返り、空気はひんやりと清々しく、静寂壮大さが共存していました。

そして徐々に、日の光が山の頂に触れ始め、淡いピンクやオレンジの色合いが広がっていきます。

その光がマッターホルンの雪を照らし、山の姿に光の炎をともします。

炎がしだいに頂上から下降して広がりゆく光景は、自然が意図的に描いている絵画のようでした。

朝日はしだいにマッターホルンの中腹へ

山の中腹へと光が降りるにつれ、色のグラデーションがさらに豊かになり、赤みを帯びた光が山の荒々しい岩肌をなめらかに染めていきます。

その時間は、山が思考をやめて、朝の光に身を委ねているかのようでした。

朝の冷たい空気が、温かみのある光で少しずつ温められ、自然の新しい一日に目覚める様子が、山の中腹まで進んだ光の広がりに反映されています。

光が中腹へと届くと、その瞬間が永遠に続いてほしいと思わせるほどの静かな感動が広がりました。

最後に光に包まれるマッターホルン

モルゲンロートが終わった後の余韻は、まるで壮大な舞台の幕が静かに降りた後のようでした。

山々は、朝日を浴びて燃えるように赤く輝いた瞬間から、次第に柔らかな光を取り戻し、淡い金色や銀色に包まれていきます。

 

その変化は急激ではなく、まるで自然が深呼吸をしながら、一日の始まりを静かに迎え入れるような緩やかな移ろいです。

山々は凛とした姿を保ちつつ、静かに日常の風景へと溶け込み、見る者の心に新しい一日が静かに始まる感覚を与えてくれました。

その後の光景は、力強さよりも優しさが漂い、朝日が完全に昇ったことで、自然全体が目覚め、活動が始まる瞬間を予感させる余韻が広がりました。

写真や動画はホテルの部屋からの光景

実はこの記事に載せてある写真や動画は

「3100クルムホテル ゴルナーグラート(3100 Kulmhotel Gornergrat)」

の部屋から撮影しており、モルゲンロートを鑑賞するのに理想的な場所となっています。

このホテルは標高3100メートルのゴルナーグラートに位置し、周囲にはマッターホルンをはじめとするアルプスの雄大な山々が広がっています。

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ホテルのあるゴルナーグラードはマッターホルンの東側に位置しているため、朝日が昇るタイミングでその神秘的な光景を間近に楽しむことができます。

また、ホテルの立地の高さや視界の広さが、澄んだ空気と相まってクリアなモルゲンロートの観賞を可能にしており、まさに自然の美を味わう最高のスポットと言えるでしょう。

部屋からの観賞なので、日の出前の早朝から寒さを気にせず、屋内でリラックスした状態で待ち、モルゲンロートを楽しむことができます。

さらに部屋は自然と調和したデザインで作られていて、山々の中に溶け込むような感覚を味わうことができ、静けさに包まれた環境の中、木の香りに囲まれながらモルゲンロートを楽しむことができます。

「3100クルムホテル ゴルナーグラート」は、モルゲンロートをモルゲンロート前後の一連の自然の移り変わりを存分に堪能できる最高の場所の一つと言えます。

『白鳥の湖』のラストシーンを想起させるモルゲンロート

自分はバレエが好きなせいかモルゲンロートから『白鳥の湖』のラストシーンを思い出しました。

『白鳥の湖』のあるバージョンでは

物語のラストで、王子と白鳥に変えられていた王女が愛を貫いて2人で自死するかわりに、悪魔は倒れ、最後に光が差し込み、王女以外の白鳥たちが呪いから解放されて人間に戻るシーン

があります。

その闇の中から光が差し込む瞬間をモルゲンロートで思い出しました。

光が象徴するのは、希望や救い、再生といったテーマであり、暗闇の中で一筋の光が差し込んで救いをもたらす様子が、モルゲンロートの光が静かに山を照らし始める瞬間に重なります。

白鳥たちが解放される場面の音楽も徐々に高まり、光が全てを包み込むシーンは、朝焼けの静寂と美しさが、マッターホルンが生み出すモルゲンロートの力強さとリンクしているように感じます。

長い夜や試練の後、光が差し込むことで全てが新しい命を得るという点で、両者は同じテーマを共有しているのかもしれませんね。

最後に

ロウソクの炎が揺れながら周囲を暖かく照らし出すのと同じように、モルゲンロートの光も柔らかく山を包み込み、やがて空全体にその光が拡散され、周囲が明るくなるまでの過程が静かでありながらも力強い生命の象徴のように感じられました。

この繊細で穏やかな光の始まりが、自然の荘厳さと共に心を温かくしてくれるので、ぜひ皆さんもマッターホルンのモルゲンロートを楽しんで頂ければと思います。