以前に、バレエレッスンをすることによって得ることのできる身体的な効果をお伝えしましたが、今回はどんな知識や経験が得られて、視野を広げていけるかご紹介したいと思います。
バレエは総合芸術であり、西洋舞踊における基本形なので、バレエレッスンを通してバレエの情報が入ってくれば、踊りだけではなくたくさんのことを学ぶことができます。
今回はバレエのレッスンで得られる知識や経験についてお伝えしたいと思います。
★こんな人向け対象の記事です★
◎バレエを始めようかと考えている方
◎すでにバレエレッスンを受けている方
◎バレエレッスンが踊り以外にどういう効果があるか知りたい方
バレエダンサーに対する尊敬の念が増す
バレエはスポーツではなかった!
思い上がった話ですが、自分は昔バレエをそんなに難しいものと思っていませんでした。
そこそこ運動神経も良かったし一通りのスポーツもやってきたので、ジャンプや回転もコツをつかめば、もちろんプロになることはできないにしても、すぐに踊ることができると思っていました。
が、しかし・・・。
バレエレッスンを受けてみると
当然スポーツではありませんでした(笑)
しいて言えば新体操などが近いかもしれませんが、特にクラシカルな音楽に合わせて厳格な様式でもって踊る古典バレエ(クラシックバレエ)は、新体操に動きが似てるところがあっても、やはり芸術の領域であることを痛感しました。
アンドゥオールといった脚を外旋する動きなど、バレエは筋肉の使い方が独特で、今までにやってきた運動にない動きが衝撃的でした。
今となっては恥ずかしいものですが、自分はこのように最初
バレエをスポーツの一種
として見てしまい、とらえ間違いていましたが、世間一般の見方も似たようなものかもしれません。
本屋さんやネットショップのジャンル分けで、たまにバレエは「スポーツ」のところに入れられていたりしますから・・・。
完全な間違いであったのですが、これが逆にバレエの奥深さに感化される形となり、長いバレエレッスン人生のきっかけともなったので、今ではバレエに対して間違った見方をしていて逆に良かったと思っています。
ダンサーの笑顔にだまされた!
バレエが簡単に見えたもう一つの理由は、バレエダンサーの笑顔です。
最高にすがすがしい笑顔で、のびのびとした動きを見ていると、踊ることをさぞ楽しんでいるんだなと初めは思ってました。
実際に楽しんでいるところもあるのですが、いざ自分がバレエを始めてみると、激しい動きで、息も絶え絶えになり、とても笑顔なんかではいられません・・・。
その時に初めて、ダンサーの笑顔も振付の一部で、バレエの表現なのだとわかりました。
笑顔の裏で、激しい苦しみが伴っていることは、華麗にバレエを踊っている姿からはわからなかったので、いざ自分がやってみてバレエダンサーはすごいと思いました。
バレエの鑑賞力が増す
ダンサーの動きや舞台がわかる!
絵を自分で描くようになれば、絵画に対する鑑賞力が増すように、バレエをするようになれば、当然バレエに対する鑑賞力も増します。
一つ一つのパ(ステップ)の内容が理解できますし、その難しさも体でわかるので、よりいっそうダンサーの動きに敏感になります。
単純にきれいな踊りと思うだけでなく、その一歩先をいった美しさを体の底から理解できるようになります。
例えば、バレエの代名詞と言われる形「アラベスク」ですが、これも体の引き上げを伴ったアンドゥオール・軸足や動作足の膝をしっかり伸ばすなど、厳しい鍛錬をしたうえでの柔軟性や筋肉がなければ簡単にはできないものです。
バレエレッスンを自分でしているとアラベスク一つするだけでも辛いし、なかなかきれいにできないことがわかるので、舞台でプロフェッショナルなダンサーがするアラベスクを見ることも、レッスンを受けていないで見るよりは、その美しさを心身の底から感じ取れるでしょう。
他のダンスへの理解も深まる!
また、他のジャンルのダンスへの理解も深まります。
すごくざっくり言うとですが、現代の西洋舞踊は
バレエを発展させてきたもの
あるいは
バレエへの反発・反動の中から生まれてきたもの
なので、バレエはダンスの基礎と言えるでしょう。
ジャズダンス・タップダンス・ストリートダンスにしろ、それらはバレエレッスンの技術を応用することができ、他のダンスへの理解を深めることができるはずです。
また、バレエはヨーロッパにおける踊りの基本形なので、バレエレッスンをする中で西洋舞踊の動きを理解できるようになれば、アジアやアフリカ・南アメリカなどの踊りと比べることができ、ダンスの世界を広げることができます。
昔、自分はダンス全般に関心がありませんでしたが、バレエレッスンをする中で、ダンスにおける身体の使い方に興味を持ち、日本舞踊やアジア各国の舞踊に目がいくようになりました。
音楽への理解も増す
バレエレッスンを受けるようになって、バレエ音楽にも興味持ち始めました。
自分はもともとヴァイオリン弾きでしたが、チャイコフスキーの3大バレエも弾いていたのにもかかわらず、バレエレッスンを受けるまでは、本来バレエ音楽なのにもかかわらず、元であるバレエを見ようとはしませんでした。
『くるみ割り人形』でさえ、クリスマスストーリーだと知りませんでした(笑)
また、『眠りの森の美女』の中の「ローズアダージョ」や「長靴を履いた猫と白い猫」も、オーケストラの演奏会ではちっとも好きな曲ではありませんでしたが、バレエレッスンを始めて、作品を見るようになってから、お気に入りの曲となりました。
「長靴を履いた猫と白い猫」など
オーケストラで弾いているだけでは意味不明
の音楽でしたが、バレエ作品を見たら、音楽と振付が溶け合っていることに、とても感動しました。
今では、様々な作品のスコアなどを買い、ヴァイオリンで弾いたりして新しい曲に出会っているので、バレエをすることによって音楽の世界も広げることができたのではないかと思っています。
最後に
バレエは踊り・音楽・美術・舞台装置などすべてを融合した総合芸術なので、一つの作品を調べる過程で必然的に他の芸術分野にも触れることになります。
なので、バレエレッスンを受けて、いろんな作品に興味を持つようになれば、様々なことが知識としてついてくるはずです。
前にバレエレッスンを受けることによる身体的な効果をお伝えしましたが、今回はいろんな知識・経験を吸収できるというお話でした♪
ちょっとでもバレエに興味を持った方は、ぜひバレエ教室の扉を叩いてみてくださいな!