今回はパッセにおける「かま足」問題について取り上げたいと思います。
バナナ足とも言われるこの事象。
「かま」という響きの悪さもさることながら、バレエ的な見た目も、かなり悪いものとなってしまいます。
かま足の由来は、小道具の「鎌」の曲がりからから来ていて、自分の足がさして切れ味も良くなさそうなのに、無駄にカーブを描いているのは本当に嫌なものです。
バナナ足のバナナも果物(果実的野菜)のバナナから由来していて、自撮りした動画で自分の足首の曲がりを見た日には、バナナなんぞ二度と食べたくなくなります。
見た目だけでなく、体全体のバランスを崩す原因ともなりますので、しっかりと修正していきましょう!
かま足の状態
まず改めてパッセの時に、かま足になっている状況を見てみましょう。
足首の周辺からつま先が内側に曲がってしまっている状態ですね。
動かずに立っている時はできていても、回転時になると途端にかま足になってしまう人もいますし、なかなかやっかいな形です。
身体の構造上、足首を伸ばしていけば本来は自然とかま足になるように人間の体はできているものなので、自分では綺麗なパッセができていると思っても、あとで動画や写真をみると、しっかり曲がっていることもあり、注意したい現象ですね。
かま足の原因
普通の人なら足首を曲げ続けると、内側に曲がっていきます。
ですから、通常であればかま足は身体的には正常であることを意味しますが、バレエ的には非常に不適当な形です。
かま足になる原因は
足首の柔軟性のなさ
骨盤が傾いている
アンドゥオールの意識が低い
などいくつか原因がありますが
大人バレエにおいてよく見かけるのは
足首を自分の限界以上に伸ばしてしまう
というのがあります。
先ほどお話ししたように、普通に足首を伸ばし続けると足先は内側へ曲がっていくので、自分の限界を超えて伸ばし続けようとすると、骨盤などを意識していてもやっぱり立派な「かま足」ができあがってしまいます。
それ故に
足首をやみくもに伸ばし続けようとせず、自分なりの限界角度を把握しておきましょう!
人によっては足首の柔軟性の不足から、直線のような足の形にならないかもしれませんが、かま足にならない程度でいったんは止めておきましょう。
足首の柔軟性はまた別にストレッチ等で解消していけばいいので、ともかくパッセでのかま足を防ぐには、自分の足首の限界を把握しなければなりません。
かま足を防ぐ練習方法
それでは、かま足を防ぐ練習方法を見ていきましょう。
3段階に分けてお話ししますね。
①座って足首の柔軟性を確認する!
まずは座って足を伸ばし、自分の足首の柔軟性を確認しましょう。
足先から伸ばすように前に曲げ続け、甲のあたりの伸びを感じてください。
無理にやると足を痛めるので、痛気持ちいいところまでにしておきましょう。
②片手バーでまずクぺの形で鏡を見ながら、かま足になってないか確認する!
次に立って片手バーになりクペ(スュル・ル・ク・ド・ピエ)で同じように、足首を伸ばし続けてみましょう。
鏡を見ながら、かま足にならない範囲で、足首の伸びを確認します。
もちろん指先まで伸ばすことを忘れないでくださいね。
③ひたすら足の第5ポジションから、クぺ⇔パッセの上下運動を繰り返す!
片手バーでクぺの形を確認したら、今度は
足の第5ポジションでクペ⇔パッセの上下運動
を繰り返しましょう。
鏡を見て、足首が内側に入らず、正しいクぺになっていることを確認しながら、ひたすらクぺ⇔パッセの行き来を繰り返し、身体に染み込ませましょう。
その際ポイントは2点あって
(1)クぺ及びパッセのかかとを前に押し出すようにして足を上限運動させる。
(2)足を上げる時は、足下に意識を向けるのでなく、膝が遠く引っ張られるような感覚で、上に持ち上げる。
ことを意識しましょう。
(1)について足先を伸ばすのを意識しすぎると、どうしても内側に入り気味になるので、クぺのかかとを押し出すようにして、足が内側に向かわないようにガードしましょう。
(2)について、基本的にクぺの形は変わらないので、形さえ固定できたら、あとは膝に焦点を当てて上下することに特化すれば、理論的にかま足にはなりません。
それでも、音楽が流れていて、一連の振りの中でパッセをすると途端にかま足が出現してしまいがちです。
ピルエットのパッセも同じで、回転前は気をつけていても回転しだすと途端にかま足になりやすいです。
それゆえに、身体に動きを伴ったクぺとパッセの形を身体になじますことによって、音楽が鳴りだし動作を伴っても、かま足になりにくくなるので、このクぺ⇔パッセの上限運動を何度も繰り返しおこないましょう!
最後に
かま足が続くと、体のあちこちに無駄な力が入ってしまうので、たとえば上半身全体が内側に入りやすくなったり、パッセの足先がきちんと膝につかずバランスが崩れやすくなります。
見た目にも足首がひん曲がっていると醜態をさらすことになってしまうので、まずは正しいクぺの形を維持して練習しながら、美しいパッセの形を目指していきましょう!