今回はピルエットにおけるアン・ナヴァンの「ひじ落ち」現象についてです。
もう大人バレエあるあるの王道の現象ですね!(残念ながら)
初心者と中級者の境目となる事象とも言えますが、ピルエットに限らず踊りの中で、アン・ナヴァンのひじが落ちている瞬間があると、それだけで見ている側は夢の世界から現実に引き戻されてしまうので、落ちている方は何としてでも克服していきましょう。
「ひじ落ち現象」は、玉に瑕となる。
どんなにピルエットをクルクルと回れていても、アン・ナヴァンのひじが落ちていては美しくはありません。
たまに大人バレエの方でも器用に回転している方がいますが、ひじが落ちてしまっていて玉に瑕の状態になっていました。
後述するように「ひじ落ち」の一番のデメリットは
軸がぶれる原因になること
ですが、美的観点においても「ひじ落ち」が見られると、かなり減点対象です。
「ひじ落ち」で踊っているとかなり見苦しい光景になってしまいますので、何としてでも避けるようにしたいところです。
「ひじ落ち」現象は、軸が乱れる大きな要因となってしまう。
アン・ナヴァンのひじが落ちているのは見た目だけでなく、踊り的にもいいことは何一つありません。
ひじが落ちていると・・・
前のめりになりやすい。
肩が上がる。
上体が崩れて傾いてしまう。
そして
上体のスクエアが保てない。
体幹がぶれる。
よって軸が取れない。
最終的には
回れない
という、悪しき三段論法が成り立ってしまいます。
ひじを上げるためには、脇の下や背中も意識することが大事。
じゃあ、ひじを上げればいいんだということで、ひじを意識して上げようとしますが、単にひじを上げればいいものではないです。
アン・ナヴァンのひじだけを意識していたら、ピルエットなど回っているうちに落ちてしまいがちです。
ひじは腕の一部であり、落ちている原因は腕の起点部分だったりします。
腕の起点は肩甲骨周辺やわきのあたりです。
そして、それらは広背筋という背中の筋肉で骨盤ともつながっています。
したがって、「ひじ落ち」現象の根本原因は
わき周辺や背中の筋肉(主に広背筋)が使えていない!
ということです。
アン・ナヴァンのひじを意識していても、なかなか「ひじ落ち」現象をなくせない方は、わきや背中を見直してみるといいでしょう。
意外にひじそのものより、腕の起点やそこにつながる広背筋を意識していくと、ひじが落ちにくくなります。
最後に
ひじが落ちていてもピルエットなど回ることも可能ですが、バレエの美学からは大きく逸脱した踊りになってしまいますので、なんとかアン・ナヴァンの「ひじ落ち」現象はなくしたいですね。
ひじが落ちることによって体幹がぶれる要因ともなり、不安的な踊りになってしまいますので、大人バレエの方はしっかりと克服していきましょう!