バレエの発表会でアラベスクがある踊りを見ていると、つくづく背中の柔軟性って大事だと感じます。
もちろんアンドゥオールなど他の体の使い方も重要ですが、客席からたとえば
のような前のめりになったアラベスクを見ると、改めて背中の柔軟性が重要であるともに、「背中の曲げ方」もアラベスクの大きな要素だと痛感します。
そこで今回はきれいなアラベスクをするために、「背中の曲げ方」に的を絞ってお話できればと思います。
バーの「後ろカンブレ」の練習で背中の柔軟性を身につける
背中の柔軟性の獲得方法といえば、バーの「後ろカンブレ」が代表的なものです。
カンブレ(cambrer)は「~を弓なりに反らせる」という意味のフランス語の他動詞で、レッスンではアンオーで前後左右に曲げ伸ばししたりします。
アラベスクに関して言えば、後ろのカンブレですが、大人バレエの方にとっては、前と横に比べると引き伸ばされていることが感じにくい動きかもしれません。
そのため、ポイントのずれた反り方になっていることが多く、また身体を引き伸ばすために気持ちいいせいか、間違いに気づかずにそのまま伸ばしている人が散見されます。
自分はこのような間違ったカンブレを
「ご機嫌カンブレ」
と(密かに)呼んでいますが、そうならないように注意点を見ていきましょう。
ご機嫌カンブレ(間違ったカンブレ)は、曲げるポイントが違う!
「ご機嫌カンブレ(間違ったカンブレ)」で初心者に最も多い間違いは
曲げる場所が違う
ということですね。
背中はざっくり言えば、上の方の胸椎と下の方の腰椎で分かれていますが、曲げる箇所は上の方の胸椎が正しいです。
下の写真の一番左の女の子(赤矢印)に注目してみてください。
腰から曲がってしまっていますよね。
しかもおなかも前に出てしまっていて、体も真っすぐではありません。
これだと腰に負担がかかるので、特に大人バレエの方には非常に怪我につながりかねない体勢です。
一方で下の写真の女性は腰から折れずに(青矢印)、きちっと胸のあたりから曲がってきれいです。
腰あたりは上半身と下半身に間ということで感覚的に曲げやすいですが、上半身の半分にあたる胸椎は普通に生活している分には感じないので、バレエ初心者には非常にわかりづらいかもしれませんね。
背中をアップした別の写真を見てみましょう。
上の写真で、いわゆる腰の位置は青線部分ですが、ここを曲げるのではなく、赤線が曲げる箇所ですね!
腰を曲げてしまっている人にとっては、思ったより上と感じるかもしれません。
本来正しい指導としては、「背中」というワードは使わず「胸」や「胸椎」を曲げると言うべきなのでしょう。
背中と言うとどうしても、一般的な言葉では腰も含まれてしまいますからね。
一度自分を自撮りしてみよう♪
後ろカンブレ上達のアプローチとして、個人的なオススメ方法としては
自撮り
です!
一度自分が後ろカンブレをしているのを見てみましょう!
そして教室の先生の指導に従いながら、正しく背中が曲がっているプロのダンサーの写真と見比べてみて、試行錯誤を繰り返しながら練習していくと効果的だと思います。
最後に
今まで30教室以上の教室やオープンクラスを巡ってきましたが、この後ろカンブレは目指す形は同じでも、いろんな表現で指導されてました。
たとえば
「肩甲骨の下あたりから反らして!」
「背中の上の方を曲げて!」
「(腰ではなく)胸を反らして!」
「胸を突き出すようにして!」
などですが、ある指導者の表現でしっくりこなかったとしても、別の先生の表現ならうまくいくこともあるので、いろんなアプローチを試してみるといいかもしれませんね。
本記事の写真や自撮り写真と一緒に合わせて、レッスンで試してみてもらえればと思います♪