大人バレエの方の中には、自分の動画や発表会のDVDを見て、アラベスクの後ろ足が曲がっていることに衝撃を受けたことがある人もいると思います。
きれいなアラベスクをしている自分の姿を期待してたのに、素人感まる出しの後ろ足を、ほかならぬ自分自身に見せつけられ、発表会の楽しい思い出を汚されたようになり、へこんでしまう方もいると思います・・・。
上の写真のように、バレエの代名詞と言われるアラベスクのポーズをしているつもりでも、なかかな足が伸びきってなかったりするものです。
アラベスクの「膝曲がり現象」は、筋力や柔軟性などが絡み、人によって原因が異なりますが、今回は改善策の一つをお伝えしたいと思います。
ある教室でおこなっていた指導法ですが、効果的な方法だったので、参考にして頂いてアラベスク改善の一助になれば幸いです。
膝を伸ばそうとするのではなく、足先(かかと)と足の付け根を伸ばすようにする!
レッスン中に
「膝を伸ばして!」
と先生に言われると、普通の人は曲がっている膝あたりに力を込めて、グッと真っ直ぐにしようとするはずです。
これだと力を入れる必要のない筋肉に力が入ってしまって、その場で一時的に伸びたとしても動いたりしたら、またたく間に元に戻ってしまいます。
なので、力の入れ方としては
足先(もしくはかかと)と、足の付け根を引っ張り合うように伸ばして、結果的に最後、膝が伸びる
ような使い方でいきましょう。
これだと必要のない部分に力を入れることはなく、筋肉に無駄な緊張がかかりません。
足先でなく、かかとと足の付け根を伸ばすように指導する先生もいましたが、どちらもやり方的には一緒です。
ともかく膝に意識を向けるのではなく、その両端にある足先またはかかとと、足の付け根が引っ張り合う感覚で試してみてください。
ただ、足先を伸ばす場合は足首が曲がりやすいので、かま足には注意してくださいね♪
タンデュ・デリエールをしっかり練習しておく!
このやり方で(意識改革をして)タンデュの練習をしましょう。
アラベスクの練習なら、タンデュ・デリエールですね。
結局のところアラベスクは
タンデュの空中戦
なので、まずは地上戦から攻めていきましょう!
タンデュ・デリエールがきちんとできるようになることが、膝の伸びた美しいアラベスクを作る近道です。
タンデュ・デリエールでは、引っ張り合いを大事に!
タンデュのデリエールは前や横に足を出すのと違い、引き上げの方向は真上でなく、骨盤が前にやや傾いて斜め前方向になります。
後ろに出した足と、少し斜めに傾いた上体が引っ張り合ってバランスを取る形となるので注意しましょう。
上半身とデリエールの足先を結んだラインが直線となっている形ですね。
バレエ初心者に傾けるというと、思い切り前のめりになってしまう人がいるので、先生によってはあえて言わない人もいますが、上の写真のように構造的には骨盤がやや前傾します。
足の付け根を含めた上体と後ろに出した足が引っ張り合って、その延長線上で足が自然に上がって完成するのがアラベスクですね。
このタンデュにおける引っ張り合いをきちっと保つことができれば、膝が曲がることなくアラベスクの形となっていきます。
もちろん実際は足が空中になったら、おしりの筋肉や背中の柔軟性などが関わってきますが、前段階としてタンデュをしっかり自分のものにして、膝が曲がることのない動きを体に染み込ませましょう。
正しいタンデュができなければ、いくら後ろに高く足を上げても「なんちゃってアラベスク」にしかなりません。
#バレエ
「アラベスクの後ろ足は、上げると言うよりは、引っ張られる感じですよ✨」上げる気持ちでやると、アンドゥオールや膝伸ばしがおろそかになるので、きちんとタンデュを通って、足の先から引っ張られることにより、自然に足が上昇していくように心がけよう✨
— ゴン@バレエ好き or ウィリに囚われし者 (@GONGZHImogutubu) April 17, 2022
アンドゥオールは常に保つ!
この記事では、膝を伸ばす方法を中心に書いているので、あえて触れていませんが、引っ張り合っている時もアンドゥオール(足を外側に向ける)を忘れないように注意ですね。
別の記事でも紹介しましたが、膝が伸びていても、アンドゥオールが不十分だと、膝が曲がっているように見えてしまうことがあるので、しっかり足を外側に向ける意識を忘れないようにしましょう。
最後に
バレエの発表会で頑張って足を後ろに高くしようとして、膝が折れ曲がったアラベスクになっている大人バレエの方をよく見かけます。
たとえ足が低くても、引き上げ・引っ張り合い・アンドゥオールがなされたアラベスクは美しいものです。
バレエのポーズの代名詞は、どの振付にも出てくるので、タンデュから丁寧に練習していくといいでしょう♪
☑膝を伸ばそうとせず、足先(かかと)と足の付け根を伸ばすように意識する。
☑アラベスクは「タンデュの空中戦」なので、まずタンデュから練習を始める。
☑タンデュのデリエールは、骨盤がやや前傾し、上体がななめ前に傾く。
☑タンデュのデリエールでは、後ろに出した足先と上体を結ぶラインが真っ直ぐになる。
☑言うまでもなく、常にアンドゥオールはしていること。